あかつきの実践ブログblog

「こんな時だからこそ…」中村🍀

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私は毎朝8時前には職場に着けるよう心がけており、特段の事がなければ7時50分ごろには近くのコンビニにいます。いつも行っていたコンビニが閉店してしまったので、最近別のコンビニに変えてみました。そしてたまに早すぎて7時30分ごろそのコンビニに着いてしまう時に限って必ず、小さい男の子を連れたお母さんの親子連れと遭遇するようになり、何だかいつも会釈をされるので、こちらも軽く会釈し返していました。

そうしたら先日の事、またいつものように早く着きすぎたため、コンビニの前でタバコをしながら時間つぶしをしていましたら、買い物を済ませた男の子が缶コーヒーを持って近付いてくるのです。まだだいぶ残っていたタバコを思わずもみ消しマスクをし直して「どうしたの?」と声を掛けたら、「ママが外でタバコを吸っているおじちゃんに渡しといてって!」言うんです。少し遅れてお母さんが店から出てきて「暁荘の中村さんですよね?」と…続けて「小学6年の時、ジュニアボランティアスクールで暁荘にお邪魔したことがあって、その時車椅子競争をしました!」と。見た感じ30歳くらいのお母さんですから、多分20年位前のスクールに来た子がもうすでにお母さんになっていたわけです。当時は一度に30名近く来てくれていたスクールも、今では各施設数名の受け入れとなったスクール。それでもかなり長い事続いている地域貢献行事。当時の子たちの事は、私は100%憶えていないのですが、子供達からすれば憶えていてくれるものなんですね。

あかつきは高齢者施設ではありますが、比較的お元気な方の生活の場であるため、小学生にボランティアの何たるかを教えるのは至難の業でした。以前の建物の時では、車イスはあるけれどそれを使用している方はいない(今でもいませんが)…高齢者施設なのに段差は多い…などなど、体験や日頃できるボランティアのビデオを見せるという、ごく普通の学習ばかりをさせることに、私自身が飽きていた頃に来た子がこのお母さんじゃないかなと思います。ルールを決め危険のないように車椅子リレーをしてみたり、施設内ウォークラリーをして、例えば施設内に何台の車椅子があるでしょうか?等のクイズを10問ぐらいつくり、即席のグループ分けをして競わせました。もちろんご入居の皆様も混ぜてです。せっかく学校が休みの日にスクールに来てくれた子たち…楽しくもなく身にもならなかったと思わせたくなかった上の私なりの工夫でしたけど、こうやって20年も過ぎたであろう当時の子が、”車椅子競争をしました!”と言ってくれ、その時の指導者であった私を憶えていてくれたことって、自画自賛にはなりますが”俺もなかなかやなぁ(^-^;”と、新型肺炎でストレス下にあるこんな時期に、すごくうれしくなる出来事でした。

今は結婚して地元長嶺で生活しているとのこと。「中々話しかける勇気がなくて息子を使ってしまいました。コロナ大変でしょうけどお体壊されませんように!」と十分に大人の会話もでき、今度はお返しで息子ちゃんにジュースをと思っているのですが、これまたタイミングが合わないのか出会えていません。またいつでも会えると思いますが、こんな出逢いで自分の仕事の意義に触れられ、やりがいのある仕事だと再認識させられる一瞬でした。

そして季節はそろそろ5月。あかつきのミカンの木は毎年の事、ちゃんと白色の甘いにおいの花を咲かせ始めました。季節は何も変わらずいつも通りに過ぎて行っているのに、様々なことが中止となり、今年のジュニアボランティアスクールの開催も微妙な気がしています。そんな時でも、変わらない季節の風景を感じたり、突飛な事ではありましたが気持ちが晴れやかになった再会などには、こんな時だからこそ嬉しさがいつも以上に感じられるものです。

変わらない事への感謝!嬉しい再会に感謝!!

あかつき・施設長・中村 猛🍀