今日のブログは、ある日の私に起きた出来事を私の主観調で書きました。少々、自が出ていますことをご了承ください。
この前、市内から山鹿までマイバイク(自転車🚲)でサイクリングに出掛けた。よせばいいのに山鹿まで行き、帰りはゆっくりと走行していた。植木駅近くになると、周辺が雑木林でループ状にうねった場所がある。そこに差し掛かった時、「助けてくださ~い…」と女性の声。停車し雑木林の中を覗き込むと、50代後半くらいのご夫婦が自転車ごと落ちていた。進行方向が市内方面だとここのループは下り坂で、先頭のご主人の急ブレーキにより、奥様が後方から突っ込んで、そのまま雑木林下へ落ちたそう。素人なりにご主人の状態把握とバイタルチェックを触診で行い、奥様のスマホ・メモに状態を記入してもらう。奥様には目立って大きな怪我はなさそうなので、とりあえずお二人の自転車・荷物を一段下のループに下ろし、私の自転車の所に上がってその自転車を下ろして、またお二人のところに戻った。何度も骨折経験のある俺のカンでは、ご主人は両足首を骨折していると思われ、単に重症な状態。意識はしっかりされていて普通にしていると痛みを感じない様子。しかしサイクリング用のシューズを脱がせる時の痛がり方は尋常ではなく、涙流しながらくいしばっていた。
場所が場所なだけに車両は入って来られない。上に行くより下に降りた方がいいと判断。奥様に119番🚑通報させ、さっきのメモを伝えてもらい、ループの下から(植木駅側から)ストレッチャーを持って上がってきてもらうよう頼んでもらった。
通りがかったのも縁だ。山鹿往復の復路で出くわしたのはツイてないが、距離にして2~300メートルくらいかな?やるか!!気合を入れご主人をおぶって山下りを決心。ご主人がしきりに「すいません!すいません!」と何度も俺の肩越しで言われる。「大丈夫ですよ…」と言いつつ、”口臭キッツイな~”と思いながら、途中で救急隊が来てくれることを願う。結局下まで降りるも救急隊が来ないので、お二人の壊れた自転車を取りに上へ戻る。そしてまた下に戻ってもまだ来ない。近くにキーロックをし水分補給を促して最後は自分の自転車を回収へ。上で救急車の音が聞こえたので、到着しただろうと安堵し、その場で一人座り込んで大休憩(あしたのジョー状態)。ヘトヘト。5~10分ぐらい経っても出発する気配無く、もしかして…自転車に乗りゆっくりフラフラと下に降りたら、案の定俺が戻ってくるのを待っていた。奥様の大感謝祭が始まる。俺はヘトヘトなのに、救急隊に「来るのおせーもん!」と文句を放ってしまい、救急隊は「同業者か何かの方ですか?」などとくだらない事を聞いてくるし、救急車の中からご主人は「頭は打っとらんて~。お名前と連絡先を聞いとけ~!」と泣きそうな声で叫んでいる。”こっちは早くひとりになりちゃーとに~”なんて思いながら、仕方なく救急隊に連絡先を教えてお別れした。
残り家まで7~8㎞…それを思いまたその場であしたのジョー。そろそろ夕方。”今晩は息子を銃剣道に送らないといけない日。19時までに帰らないと間に合わない”ことを思い出し、フラフラで何とか帰宅。さっとシャワーを浴び、パンツ一丁で息子の夕食代わりのおにぎり🍙を二つ握り(俺の分もひとつ追加)、嫁が帰る前に息子を連れだす。21時半ごろ帰宅したら、嫁が「今日また誰か助けたの?」と奥様からお礼の電話📞があったとのこと。改めてかけ直してくる・しつこかったけど住所までは教えなかった…それでよし!と言って、息子が本チャンの夕食を摂っている間に、俺は湯船につかった。遠くで電話が鳴り、嫁が「どうする?出る?今度は住所教えちゃった」と。チッと言いながら電話を替わり奥様から2度目の大感謝祭。週明けに精密検査はするが、見立て通り両足首は骨折だったとのこと。ご主人の食欲もあるそうで頭も大丈夫そうだな。くれぐれもちゃんと御礼をしておけと言われたとのこと。機関銃のようにハイテンションで話をされた奥様に、「今は気を張っていらっしゃるけど、奥様も検査受けてくださいね」というと、「ホントよか人に助けてもらえた~」と。退院したら再度御礼に来るそうだ。
ああ…なぜ住所を教えたんだよ!
”まあいいか。たまたまだけど良い事は出来た。俺じゃなくても誰かが助けただろう。俺でなかったとしても誰かが誰かなりに頑張っただろう。それでも誰も助けてくれなかったとしたら…あの夫婦は俺に助けられてツイてたのかな”なんて思いながら風呂場に戻ると、にやけた息子が湯船につかってやがる。半裸状態の俺は「なんて日だ!」なんてバイキングの小峠のように叫んで自室に入り爆睡💤した。
こんなことがつい先日ありました。大変でしたけど、人を助けるって大なり小なり悪い事じゃないですよね。事によっては覚悟もいるし、私があの時、山下りをせずに救急隊の誘導だけすればよかったのかなどと、判断を間違えたかなとも思いましたが、結果オーライ。私が出来る十分な人助けができたと思っています。嫁が「また…?」と言ったように、意外とこういうことに遭遇しがちで、助けないと逆に自分に災いが降りかかるような気がして…。とてもきつかったですが、我ながら良い事をしました。長くなりましたが以上です。
あかつき・施設長・中村猛🍀