学童保育施設の実践ブログblog

一輪車の先生《南小クラブ》

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雨続きで、部屋で過ごす事が多かったのですが、久しぶりに雨が上がった日の事、「今日は外に出て遊べるよ!」と声を掛けると、待ってました!とばかりに大喜びで運動場へ行った子ども達でした。この日、一輪車が大好きな2年生Yさんは、早速、乗って遊んでいました。すると・最近になって一輪車の練習を始めた1年生Hさんが、1人鉄棒を支えにして頑張っています。そんな姿を見たYさんが「Hちゃん、教えてやろうか?」と声を掛けてきました。その時、私も側に付いていたのですが、しばらくYさんに任せる事にし、一輪車の先生になってもらう事をお願いしてみました。快く先生役を引き受けてくれたYさん。どんな風に教えるのかと、私は黙って見守る事に….

頑張って!

すると、手取り足取り丁寧に教えています。そしてこんな言葉掛けも聞けました。「一輪車に乗る時は、下を向いたり、後ろを向いたりしたらダメ、前を見るんだよ!」(そうなんです。Hさん、つい足元が気になり下を見る癖があるのです。さすがに、後ろを見る事はないですけどね 笑)そして、勇気づけられる言葉も…「自分の頭の中で、私は絶対に乗れるという気持ちを持って!」「そしたら、私みたいに乗れるようになるから」と言っていたのです。そうなんです。Yさんがここまで言い切れる理由があって…。実は1人で乗れるようになるまで、沢山の苦労がありました。天気がいい日は、毎日練習の日々。最初は鉄棒を支えにして取り組んでいたのですが、バランスが取れずフラフラする自分に腹を立て悔しい思いをした事。バランスが取れるようになってきたかと思いきや、今度は手離しで前に進もうとするものの、すぐに転倒、転ぶ度に「何で?乗れないの?」と嘆き続けた日々。そして、練習を同時期に始めたお友達が先に乗れるようになり、焦りを感じていた事等、色んな思いをしながら過ごしてきました。人一倍練習をし、絶対に乗れると自分に言い聞かせてきたYさんだからこそ、そんな言葉が出てきたのではないかなと思いました。一生懸命教えているYさんの姿は、まさしく熱血教師のようでした。今後もこの2人の様子を見守っていきながら、そしてHさんが乗れるようになる姿を見届けていきたいと思います。

              高木佐代美