風の子保育園の実践ブログblog

ぶつかりながら(2歳児 ゆき組)

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 保育園は友だちと先生がみんなで過ごす、子どもたちの初めての「集団生活」の場所です。私たちは「沢山の友だちと、仲良く楽しく過ごしてほしい!」と願いながら子どもたちと関わる日々ですが、その中には「ここは乗り越えてほしい」「思いが伝わってほしい」「成長してほしい」という思いで、あえて見守ったり、時には伝えるべき必要なことは時間をとって子どもの思いを聞き、そして保育士の思いを伝えることがあります。全ては子どもたちの成長を願ってのこと、楽しい経験も、そして心の葛藤も、成長には必要不可欠だなと思います。そして集団ということは「1人ではない」ということで、友だちと関わる経験がより成長を促してくれるのが保育園だと思います。

 

 さて、前置きが長くなりましたが…ゆき組の子どもたちも今まさに、友だちとの関わり方を深く経験している時期です。言葉が増え、自分の思いを口で伝えられるようになってきたことで、一緒に遊んで楽しむことも、同時に揉めてしまうことも増えてきたように感じます。

揉め事で1番多いのは、「物の取り合いです。おもちゃであそんでいる子に、別の子が声を掛けます。

「かーしーて!」(貸してほしい、と言えるようになったことも成長の証デス☆) でも返事は、

「いーやだよー!」…ここは私たち保育士の出番。次に貸してあげてほしいな、と説得にいきます。

 

また、同じような場面、

 

「かーしーてー!」

「あーとでねー!」(スゴイ!きちんと順番を理解できて、次に貸してあげる約束をしているんだー!)

…ですが、いつまで経っても、その子は貸すそぶりがなく…私たちの出番です。順番を思い出してくれるように確認にいきます。

 中には、いきなり友だちのおもちゃを無理強いに取ってしまう子も!…勿論私たちの出番!その子に「使いたかったんだね」と寄り添いつつ、「でもね、勝手に取るんじゃなくて、使いたいときは”貸して”って言うんだよ」と丁寧に頼み方や言葉での気持ちの伝え方を教えます。このように、揉めた時の対応もそれぞれです。

 

 物の貸し借りでは、貸す子にも心の葛藤が生まれることも。「かーしーてー!」と言われ、無言で貸したYくん。そして泣いてしまいました。私がどうしたの?とYくんに聞くと、「まだつかいたかった…」と。「そっか。貸してあげたんだね。Yくんは優しいね。」とその行為は褒めながら受け止めつつ、「でもね。まだ使いたい時はね、“後でね”って言っていいんだよ」と話しました。自分の気持ちを伝えることも、簡単にできることではないんだな、と感じたエピソードです。

 

「いっしょにあーそーぼー!」のやりとりも多いです。パズルをしていたIさんに、Mさんが「いっしょにあーそーぼー!」と声をかけると、「だーめだよー!」とキッパリ断ったIさん。その後Mさんは泣きながら、私に「Iちゃんといっしょにしたかった…」と言いました。その時は(うーん、Mさんの気持ちも分かるし…でもIさんも、1人でしたい時もあるよね~…)と私も悩みました。(ちなみにその後2人はいつの間にか一緒にパズルを楽しんでいました♪)

 

 子どもたちは毎日、色々な経験を通して成長しています。楽しいことも、揉めることもありますが、「皆違う」からこそ気持ちがぶつかってしまうんだ、ということを心に留めて、友だちとの関わりを大事に見守り、そして育んでいけるように関わっていきたいです😊

 

(ぼくのお気に入りの”ドングリ”貸してあげるー! ありがとう!!の一枚📷♪♪

                                      古庄(一)