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『ももたろう読み比べ』   4歳児ひまわりぐみ

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『ももたろう読み比べ』

 

 「も〜もたろさん、ももたろさん♪」で有名な『ももたろう』。実はこの歌の歌詞は6番まであるのをご存知でしたか?イヌ・サル・キジとのきびだんごのやりとりばかりフォーカスされていますが、鬼を退治して宝を持って帰るところまでが歌になっているのです。

 それをさらに発展させて、ももたろう誕生から鬼退治に出発するまでを歌にしたものが『うたうももたろう』という絵本です。ストーリーの全てが「も〜もたろさん、ももたろさん♪」の節回しになっていますので、担任はページをめくりながらうたっていきます。

「おおむかし そのむかし♪」

 

覚えが早い子どもたちは、何度も読んでいると、絵本をめくるたびに一緒にうたうようになりました。おそらくおうちでうたっているお友だちもいるのではないでしょうか?聞いたことのない歌詞を耳にして、「うちの子、替え歌の天才かも⁉︎」とビックリされたかもしれませんが、絵本の真似ですのでぬか喜びさせてごめんなさい(笑)。

 

 さて『ももたろう』といえば、この絵が思い浮かぶのではないでしょうか?ロングセラーにもなっていますので、おうちの方も一度はご覧になられたことがあるかもしれませんね。福音館書店の松居直&赤羽末吉作の『ももたろう』です。

「あるひ、おばあさんが かわで せんたくをしていると」

 

桃が流れてくる様子を「つんぶく かんぶく」、ももたろうがうまれるところを「ももが じゃくっとわれて、なかから かわいい おとこのこが、ほおげあ ほおげあっと いって うまれました」と表現したり、耳馴染みのない古風な感じですが、子どもたちはニュアンスを感じとりながらお話に引き込まれています。あらためて読んでみると、そういう結末だったっけ?と驚きました。鬼が宝物を差し出そうとすると「たからものは いらん。おひめさまを かえせ」と言うももたろう。宝は持って帰らず、お姫様を連れて帰って嫁にしたというストーリーでした。

「宝を取り返すんじゃなかったの⁉︎」

 

つまりももたろうはお姫様救出を目的として鬼退治に出かけたのでしょうね。この話を聞きながら、お姫様に自分の姿を重ねる女の子もいるかも・・・しれませんね。

 

 もう1冊はいもとようこ作の『ももたろう』です。『いないいないばあ』で有名ないもとようこさん。赤ちゃん絵本を得意とされているだけあって、絵がとても可愛いです。

「可愛い顔して強いんです!」

 

未満児の頃、目にしたお友だちも多いはず。それだけに馴染みのある作風なので、すんなりと絵本に入り込んでいました。いもとようこ作の昔話シリーズがたくさん出ていますので、入門編にはいいかもしれませんね。

 

 いずれもひまわりさんたちが大好きな絵本です。絵もストーリーの展開も異なる3冊ですが、それぞれにコアなファンがいるみたいですよ。「絵本は心の栄養」とも言われています。たくさんの絵本に出会って、どんどん心を育んでもらいたいものです。『ももたろう』に限らず、お気に入りの1冊が見つかるといいですね♪

 

林 信彦