白川の里の実践ブログblog

初盆・物故者法要

カテゴリー:白川の里の実践ブログ

 白川の里では、毎年この時期に初盆を迎えられるご遺族と「初盆・物故者法要」を営ませていただいています。

 今回は14名の方が初盆を迎え、6家族9名のご遺族、毎年お手伝い下さるビハーラ熊本の皆様と一緒に法要を8月3日に執り行いました。

法要後、ご遺族と職員にて懇談を行ったのですが、改めてグリーフケアの大切さを再認識しました。

 

今日は法要の時に話した法話を、ご紹介させて頂きます。

 

今日は、初盆の法要ということなので、少しばかし盆の由来・起源についてお話しさせて頂きます。昔、お釈迦様の弟子に目連尊者という方がおられたのですが、その方の母親がわが子を溺愛し、ほかの人や、ものをないがしろにしたため、餓鬼道に落とされてしまいました。

目連は、どうにかしてお母さんを救いたいと、お釈迦様に相談したところ、お釈迦様は、それならば7月15日に懺悔をし、翌日の16日に修行者たちに食事を施せば救ってあげましょうと言われ、目連はそのとおりにし、母親を餓鬼道から救われました。それがお盆の由来・起源と言われています。

ただ、様々な仏教の宗派がありますが、浄土真宗ではこの時期に先祖が降りてくるや帰ってくるという考え方はありません。亡くなられた方は皆、お浄土へ旅立っていき、仏様にかえられ常に私たちに寄り添って頂いているという教えです。

ところで皆さんは、千の風になってという歌はご存知ですよね?

私はまさにこの曲が、浄土真宗の教えではないかと思います。

私、まだ40代にしてすでにおじいちゃんなんですが、この前、孫をお寺詣りに連れて行きました。小さなもみじのような手をあわせて、「まんまいちゃんあっ」て言ってたんですね。

その後「ひいおじいちゃんに会いに行こう」って言って納骨堂参りに行ったのですが、本来は、亡くなった方に会いに行くためにお参りするわけじゃないんですよね。

では、お墓参りの意味とは何なのでしょうか?それは、故人をしのぶと共に、阿弥陀様のご慈悲の力に気づかせていただけるご縁を頂く場所なのです。

今後、お墓参りに行かれる方は、お墓参りとはこのような意味があるのだと思いながら、お参りいただければと思います。

先ほど、ご縁という言葉を言いましたが、仏教の教えの一つに、「ご縁を大事にしなさい」という教えがあります。

本日、ご参列いただいたご遺族の方におかれましては、もしかすると、今日で、白川の里においでいただくのが、最後になるかもしれません。

又、お手伝いただいた、ビハーラ熊本の皆様におかれましては、年に1回ですが、私たちと再会させて頂ける日です。

そして、白川の里のご入居者・職員の皆様におかれては、この1年で旅立たれた方を偲ぶ、大事な日です。

今日の「物故者法要」を通じて頂いたこのご縁に感謝して、また、明日からの生活の糧にして頂ければとお念じします。

 

総務課  森川 昌樹