梅雨かと思うほど雨が降り続いたある日の出来事です。
入居者S様のご主人が面会に来られ、ゆっくりとした時間を過ごされていました。
言葉での会話が難しく、日頃から感情を出すことが少ないS様が、嬉しそうに目を見開き、活き活きとされている姿が印象的でした。
しばらくして、ご主人が「じゃ、帰るから。」と席を立たれました。
すると、S様が車椅子から身を乗りだすように、手を大きく振り見送っておられました。
数日前には、娘様、お孫様も面会に来られ、その時は指を動かし嬉しさを表現されている様でした。
私は、そんなS様の様子を見て、とても温かい気持ちになりました。
私事ですが、実父が介護度5で、病気もあり施設でお世話になっています。
私の家から片道2時間半もかかるため、こまめに足を運ぶことができずにいます。
S様ご夫妻の姿がふっと浮かび、数日後、時間を作り母と一緒に父の面会に行きました。
すると、私が1人で行くときよりも沢山話をしてくれたのです。
娘でも知らない、分からない夫婦の絆を感じ、「深いなぁ~」と思い、S様ご夫婦と両親から改めて教わることができました。
これからもS様や、他のご入居者、ご家族が、白川の里で過ごされる時間が豊かな時間となるように1日1日を大切に介護させて頂きたいと思います。
北館2丁目 介護職 村田みさ子