白川の里の実践ブログblog

旅立ち

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 私の母の話ですが・・・。

母は、週3回のデイサービスをとても楽しみに、朝早くからソワソワしながら迎えのバスを玄関先で待つほどでした。

ある日の事、いつもと様子が違い救急搬送。“脱水症”との診断で入院となりましたが、

母を見た私の中で、“これは脱水症とは違うのでは?”と感じたのが、どうしてもぬぐいきれず姉を説得!

改めて検査をするとやはり“脳梗塞”でした。

「家に帰りたい」が口癖の母は、毎日リハビリを頑張り、徐々に私たちの顔や名前もわかるようになってきましたが、家には戻ることは難しいだろうと思っていました。

そんな中、「もうダメかもしれない」と職場に連絡が来てしまいました。

直ぐに病院に駆けつけ、集まっていた家族と「耳は最後まで聞こえるから」と体をさすりながら沢山話しかけていると、待っていたかのように静かに旅立ちました。

 

この経験を通して、ご入居者の家族は、疑問に思ったことを私たち職員に申し出ることができていらっしゃるだろうか・・・。私たちは、その気持ちに気づくことができているだろうか・・・。と考えました。

 

 施設でお看取りをさせて頂くことはありましたが、自分の母を看取った今、これまで以上に“寄り添う”ということが分かった気がします。

 

 この気持ちを忘れずにご入居者、そしてご家族と向き合っていきたいと思います。

北館1丁目 松本 貴子