白川の里の実践ブログblog

みらいの仲間

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先日、熊本学園大学の実習説明会がありました。

2月から始まる介護実習の受け入れ施設と大学の先生や講師がオンライン上で集まり、現在のコロナ禍で感染予防対策が最優先となっている状況で、どのようにしたら学生の実習を実現できるかを検討するための会議となりました。

 

私が、実習指導者としてこれまで実習に携わってきた中で、たくさんの学生や先生方との出会いがありましたが、これまでに最も印象に残った実習があります。

あれは今からちょうど5年前の今頃のことですが、学園大の2年生の女子学生を介護実習で受け入れました。彼女は緊張しながらも一生懸命実習に取り組んでおり、一見すると順調に進んでいるかのように見えましたが、時間が経つうちに徐々に表情が曇っていく様子を見て、心配になりこちらから声をかけました。

話を聞いていく中で、彼女は「担当している入居者の情報を上手く引き出すことが出来ずに悩んでいるんです」と話してくれました。おそらく初めての実習で、最終課題であるケアプランの立案と実施がうまくいかないことにあせりを覚えているのだろうと思いました。

その後、実習を続けていく中でユニット職員もたくさんフォローをしてくれたおかげで、最後は笑顔で実習を終えることができ、元気に学校へ戻っていきました。

 

それから2年後の4月に私は彼女と再会することになりました。

そこはなんと、白川の里の研修室だったのです!(^^)!

彼女は、卒業と同時に再び白川の里の職員として戻ってきてくれ、感動の再会を果たすことになりました。

入職から暫くたった頃、私は彼女にどうして白川の里に就職したのか尋ねると、

「実は実習の頃から考えていたんです!あれからもたくさんの実習施設にお世話になったけど、白川の里が一番ご入居者に寄り添ったケアをされていたので、私もそんなケアをできたらと思って・・・」と、恥ずかしそうにしながらも、目を輝かせながら強い決意をもって答えてくれました。

そして彼女は今現在も、白川の里で私たちの同志として、ユニットの中心的な存在になってみんなを引っ張ってくれいています。

現在、白川の里にはそんな風に思い、実習したことをきっかけとして施設に入職してくれた元実習生がたくさん働いてくれています。

 

しかしながらその一方で、私たちの業界では深刻な人材不足といわれる中、介護の学校や学科等がどんどん少なくなり、卒業後に実際に福祉の仕事に就く学生も減っている状況です。

私たち事業者側も、限られた労働環境や人員体制の中で実習の学生を受け入れることは決して楽なことではありません。しかし、これからの超高齢者社会の担い手となる貴重な学生さんたちが、理論だけでなく、実際にありのままの福祉の現場を見ることでしか感じとることができないであろう、やりがいや楽しさに加えて、現実の大変な状況も十分に理解をした上で、福祉や介護の仕事がしたいと思ってもらうことが大切だと思っています。

私の考える学生における実習の場とは、単に知識や技術を身につける教育カリキュラムにとどまらず、この業界で志を共にする未来の仲間が増え、ゆくゆくはその仲間が、誰かの助けを必要とする人たちを支える資源となる大切な出会いの機会であると考えます。

ひとりよがりかもしれませんが、私にはそんな事業所と実習生をつなぐ大事な使命があるということを、新たな実習生を受け入れるたびに考えさせられます。

 

現在、新型コロナ感染症の影響で、今回の実習は初のリモート実習となりますが、学生や実習生という枠にとらわれず、仕事を通して誰かの役に立ちたいという『こころざし』を同じにする新たな仲間との大切な出会いの機会であることを肝に銘じ、どのようなかたちであっても、実習に来てくれた人たちが、白川の里での実習が介護とのよき出会いの場だったと思ってもらえるよう、自らの職責を果たしていきたいと思います。

                                                    施設福祉課課長補佐 森園