白川の里の実践ブログblog

心に残る言葉

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 皆様には、「心に残る言葉」はあるでしょうか。

私は、生前に父と話した言葉を時々思い出します。

 

父は、20年前ほど他界しました。父とはいろいろな話をするほど仲が良く、いつもはたわいもない話をするのですが、ある日のこと珍しく仕事の話を自分にしてくれました。

父の最後の仕事はタクシーの運転手で、運転する際の心構えの話を喋り始め、

「お客さんに乗車していただくとき、自分はこんな気持ちで乗車して頂く。車内を舞台に例えると、運転手は脇役でお客さんは主役。まず、お客に話しかけて反応が薄いときは、この方はあまり喋らないほうがいいと考え運転に集中する。逆に、反応が良かったお客さんには、たくさん喋っていただくようにこちらからも精一杯に話かけをする。

主役が気持ちよく演技をするように脇役は徹さないといけないよね。これがプロっていうもんばい」

 

その言葉を振り返り考えてみますと、どの職種でも当てはまるものだと思います。私たちが働いている「白川の里」を舞台で例えるならば、主役はご入居者・ご利用者、脇役は私たち全職員だと思います。

主役が楽しく穏やかな生活を送っていただくように、脇役の職員が個々のケアに努める。

 

父の話を聞いた当時、私は大学生でまだ就職していない身でしたので、話し半ばに聞いていたことを思い出します。現在、私も社会人になり25年程過ぎました。最近になって、父の言葉の重みをひしひしと感じています。

 

 白川の里では『利他』の精神を掲げています。私たち職員が名脇役になれれば、自ずと『利他』に繋がっていくのではないかと感じる日々です。

介助職  森川 昌樹