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父の思い

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父の思い

私の父は、慢性腎不全、糖尿病、高血圧など多くの病気を抱え、週3回の透析を受けていました。父が元気な時に「透析を受ける人生になって後悔はないか」と尋ねたことがあります。父は「好きな酒を飲んで好きなものを食べて、我が人生に悔いはなし。これからも我慢せず、俺のよかごつ生きたい」と言っていました。その言葉通り、父は、透析は受けているものの甘い物を食べる、飲む、薬は飲まない、主治医とは喧嘩する等など色々な意味で自由に生きていました。そんな父も今月22日突然家で亡くなくなりました。亡くなった父に最初にかけた言葉は「自分の思うように生きて、家で亡くなって幸せだったね」でした。「よかごつ生きたい」と言っていた父は誰にも何にも縛られることなく、自由に生きて自分で建てた家で最期を迎え、本当に悔いのない人生を送れたのではないかと思います。

 

今、父がいないことがとても寂しいと感じますが、父に対しての後悔は全くありません。それは、たぶん父が言っていた「よかごつ生きたい」といった言葉通りの人生を見守ることができたからだと思います。今、白川の里では看取りがありません。

 

いつか看取りができるようになった時にはご利用者の人生を振り返りながら、ご家族と一緒に最期の人生の生き方を考えていきたいと思います。そして、1日1日を大切にしていきたいです。

 

短期入所生活介護担当 木下 朋子