若草学園の実践ブログblog

コミュニケーションを図ること😊

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最近新しくぽかぽかクラスを利用されることになったKさん。もうすぐ3歳になります。

まだ言葉は出ず、コミュニケーションの手段としては、指差しだったり、嬉しい時楽しい時には「おー!」と高い声を出したり、思い通りにいかない時は泣いて訴えたり…といった形です。先日、初めてKさんと一緒に一日を過ごして感じたことがあります。

 

 

まだみんなと一緒に一日同じ教室で過ごすのは難しいので、タイミングを見て教室に入ったり出たりの繰り返しです。Kさんは未就園なので、初めてお家以外の世界に出たということで、大好きなお父さんお母さんから離れた場所でとってもよく頑張ってくれています!

 

 

まずは、Kさんと仲良くなりたい!と思い、午前中の時間一緒に過ごしていましたが、実際に関わるのはまだほとんど初めてといった状態で、「今の何が嫌で泣いているんだろう?」「ほかに何かしたかったのかな?」「今の時間、これはできないなぁ…どのように伝えたら分かりやすいのかな?」と様々な場面で悩み、考えながら関わっていました。その間、Kさんも、「伝わらなくてもどかしい!先生なんでわかってくれないの!」と苦しい思いをさせてしまったことだと思います。

 

 

あれこれ葛藤しながら関わっていると、給食の時間がやってきました。そこで、Kさんは真っ先に白ご飯を食べ始め、美味しそうににっこり😊

「おいしいね~!よかったね✨」と隣で見守っていると、Kさんが、使っていないスプーンを私に差し出してきました。「どういう意味だろう?」そう思い、スプーンを手に取ると、クレーンでご飯をすくって、私の口の近くまで持っていき、「先生も食べてみて!」というような目でじっと見つめてきました。

そこで、一口パクっと食べてみせ、「うん!おいしいね!」と伝えると、とっても嬉しそうに私の目を見て笑ったのです。それから、なんとなくKさんが、私に『伝えよう!』としてくれるのがわかりました。

給食のおかずを指さして、困った顔で何かを伝えようとしています。口の動きを見ていると、「まだ硬いものの咀嚼が難しそう?」「大きく口を開けて食べるのが難しい?」そう感じていたので、『おかずを小さく切って欲しい』ということなのかな?と思い、「チョキチョキするよ!」とジェスチャーを加えながら声かけし、実際に小さく切っていくと表情がパッと明るくなり、パクリと口に入れてくれたのです!それからの時間、Kさんは、「なんかこの先生わかってくれるかも…」と感じてくれたのか、急に距離が縮まったように感じました。

 

 

まず、スプーンですくった給食を、「先生はご飯を持って来てるから大丈夫、いらないよ!」等と拒んでいたとしたら、仲良くなるきっかけを一つ失っていたのではないかと思います。そして、午前中からずっとKさんの表情や動きを観察してきたことで、「多分こう言いたいのかな…?」という予測が当たり、それが結果としてKさんとの距離を縮めることができたのかなと思いました。

 

 

ぽかぽかクラスの子ども達はおひさまの中でも最年少という事で、自分の気持ちや考えを上手く言葉では表現できない子がほとんどです。そのような子ども達に療育を行っていくためには、まずはやはり、『この先生は自分のことを分かろうとしてくれている⇒自分のことをわかってくれる!』という信頼関係を築くことが前提として必要だと考えています。

 

 

改めて、Kさんと過ごしてみて、子どもが言葉だけではなく全身から伝えようとしていることを汲み取ろうとする姿勢の大切さを学びました。Kさんありがとう😊これからもよろしくね!

 

 

 

 

児童発達支援センターおひさま 児童発達支援事業 石橋