若草学園の実践ブログblog

学び多き、人生。

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先日、夜中11時に電話が鳴りました。

しばらくお会いしていなかった高校一年生の発達障がいのある息子を持つ母子家庭のお母さんからの電話でした。

「息子が、家出をしました。」

「今回は、ちょっと訳が違うようです・・・どうしたらいいでしょうか」と不安げな声。

 

私は、「とにかく、警察に連絡をしてください。」と伝え、本人が行きそうな所や、何と言って出て行ったのか、その日着ていた服装と色、所持金、自転車なのか歩いてなのか、普段の行動範囲等々を確認しながら、コンビニやカラオケボックス、公園等を見回りながら、歩いて探していたお母さんと合流しました。

 

私の車で探し回りながら、お母さんといろいろな話をしました。

原因は、「スマホ」でした。                             

                                     

 

「私の育て方が悪かったのでしょうか…、もう、どうしていいのか分かりません」

「高校生になったので、お祝いにと思ってスマホを持たせたんです。」

「最近は、夜更かしがひどく、朝起きれず学校への行き渋りもあり、スマホゲームやSNSで知り合った見知らぬ男性といつまでも交信していたり、母親の呼びかけにも暴言を吐く始末で・・・それで頭にきて、スマホを叩いたらヒビが入ってしまったんです・・・それで、出ていきました。」

 

同じような案件での相談が多くあります。

今は、どこの家庭でも起きそうな出来事なのではないかと思います。

 

親心でプレゼントしたスマホが、ゲームへの没頭やSNSを通して見知らぬ人との接触で、子どもの生活リズムを乱したり、親への逆切れに至ったり、子どもの身を危険にさらされることもあります。

スマホは、今やなくてはならない必需品でありながら、使い方を間違えると、人生すら狂わすきっかけになってしまいます。

スマホの請求で、月に10万使ったことが分かって初めて発覚した事例もありました。

 

今回のケースは、朝6時過ぎ、とぼとぼと歩いている所を母親が発見。大事に至らずに済みました。

母子で警察へお詫びに行き、そのまま帰宅。そして、寝ずに歩いていた時の本人の気持ちと、寝ずに探していた時の母親の気持ちをお互い冷静に話し合う事を約束しました。

親子であっても、どちらが正しいとか間違っているのではなく、人は人との関係で認め合い、理解し、折り合いをつけ、共有する時間の大切さを感じました。

 

客観的な視点で寄り添う相談業務では、ケースを通して学ぶことが多くあります。

まだまだ人生の折り返し!?半人前の50歳!!学び多き人生を楽しんでいます!!

                                      相談支援センターいちばん星 伊豆野良栄