若草学園の実践ブログblog

なくなる仕事・なくならない仕事

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2015年に株式会社野村総合研究所と英オックスフォード大学のマイケルA.オズボーン准教授及びカール・ベネディクト・フレイ博士との共同研究により、国内601種類の職業について、10年後~20年後、今ある職業の約49%が人工知能やロボット等で代替することが可能であるとの推計結果の発表があったことは、多くのメディアを通して、また、週刊誌等でも報じられていることは皆さんもご承知のことと思います。

 ちなみに、この研究により発表された、『なくなる仕事・職業、なくならない仕事・職業』の一覧は下表のとおりです。

【なくなる仕事・職業の一覧】

なくなる仕事

IC生産オペレーター

こん包工

電子計算機保守員(IT保守員)

一般事務員

サッシ工

電子部品製造工

鋳物工

産業廃棄物収集運搬作業員

電車運転士

医療事務員

紙器製造工

道路パトロール隊員

受付係

自動車組立工

日用品修理ショップ店員

AV・通信機器組立・修理工

自動車塗装工

バイク便配達員

駅務員

出荷・発送係員

発電員

NC研削盤工

じんかい収集作業員

非破壊検査員

NC旋盤工

人事係事務員

ビル施設管理技術者

会計監査係員

新聞配達員

ビル清掃員

加工紙製造工

診療情報管理士

物品購買事務員

貸付係事務員

水産ねり製品製造工

プラスチック製品成形工

学校事務員

スーパー店員

プロセス製版オペレーター

カメラ組立工

生産現場事務員

ボイラーオペレーター

機械木工

製パン工

貿易事務員

寄宿舎・寮・マンション管理人

製粉工

包装作業員

CADオペレーター

製本作業員

保管・管理係員

給食調理人

清涼飲料ルートセールス員

保険事務員

教育・研修事務員

石油精製オペレーター

ホテル客室係

行政事務員(国)

セメント生産オペレーター

マシニングセンター・オペレーター

行政事務員(県市町村)

繊維製品検査工

ミシン縫製工

銀行窓口係

倉庫作業員

めっき工

金属加工・金属製品検査工

惣菜製造工

めん類製造工

金属研磨工

測量士

郵便外務員

金属材料製造検査工

宝くじ販売人

郵便事務員

金属熱処理工

タクシー運転者

有料道路料金収受員

金属プレス工

宅配便配達員

レジ係

クリーニング取次店員

鍛造工

列車清掃員

計器組立工

駐車場管理人

レンタカー営業所員

警備員

通関士

路線バス運転者

経理事務員

通信販売受付事務員

 

検収・検品係員

積卸作業員

 

検針員

データ入力係

 

建設作業員

電気通信技術者

 

ゴム製品成形工(タイヤ成形を除く)

電算写植オペレーター

 

(引用元:野村総合研究所, 日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に, 2015)

 

 

【なくならない仕事の一覧と特徴】

なくならない仕事

アートディレクター

児童厚生員

バーテンダー

アウトドアインストラクター

シナリオライター

俳優

アナウンサー

社会学研究者

はり師・きゅう師

アロマセラピスト

社会教育主事

美容師

犬訓練士

社会福祉施設介護職員

評論家

医療ソーシャルワーカー

社会福祉施設指導員

ファッションデザイナー

インテリアコーディネーター

獣医師

フードコーディネーター

インテリアデザイナー

柔道整復師

舞台演出家

映画カメラマン

ジュエリーデザイナー

舞台美術家

映画監督

小学校教員

フラワーデザイナー

エコノミスト

商業カメラマン

フリーライター

音楽教室講師

小児科医

プロデューサー

学芸員

商品開発部員

ペンション経営者

学校カウンセラー

助産師

保育士

観光バスガイド

心理学研究者

放送記者

教育カウンセラー

人類学者

放送ディレクター

クラシック演奏家

スタイリスト

報道カメラマン

グラフィックデザイナー

スポーツインストラクター

法務教官

ケアマネージャー

スポーツライター

マーケティング・リサーチャー

経営コンサルタント

声楽家

マンガ家

芸能マネージャー

精神科医

ミュージシャン

ゲームクリエーター

ソムリエ

メイクアップアーティスト

外科医

大学・短期大学教員

盲・ろう・養護学校教員

言語聴覚士

中学校教員

幼稚園教員

工業デザイナー

中小企業診断士

理学療法士

広告ディレクター

ツアーコンダクター

料理研究家

国際協力専門家

ディスクジョッキー

旅行会社カウンター係

コピーライター

ディスプレイデザイナー

レコードプロデューサー

作業療法士

デスク

レストラン支配人

作詞家

テレビカメラマン

録音エンジニア

作曲家

テレビタレント

 

雑誌編集者

図書編集者

 

産業カウンセラー

内科医

 

産婦人科医

日本語教師

 

歯科医師

ネイル・アーティスト

 

(引用元:野村総合研究所, 日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に, 2015)

 

ここで、注目したいのは、野村総合研究所の調査で分かった、なくならない仕事の特徴だと思います。その特徴は、芸術や哲学、人文学というような抽象的概念を扱うもの相手の感情を読み取るというような、いわゆる社会的なコミュニケーションを必要とする職業がなくならない仕事であると言われています。

AIは脳科学の発展とともに進化していますが、脳科学で分かっていることは実はとても少ないため、抽象的な思考をAIで模倣できるようになるには非常に長い年月がかかるとも言われています。

 

先日参加したセミナーでも同じような話題が中心でした。その中で特に印象に残ったフレーズがあります。

『気配』を感じることができる人になる。=『気配り』のできる人になる。

私は、これまでの20数年の福祉経験の中で、常にこの気配を感じるということを大切にし、相手のちょっとした変化に気付けるよう努力してきました。そして、これからもこの気配を感じることを意識しながら仕事を続けていきたいと思っています。

 若草学園の標語の中に『目配り・気配り・思いやり』という言葉があります。これは出来ている、出来ていないということを数字として図ることができない難しい事なのですが、人と関わる仕事をする上での原点であると考えていますし、このことを追求していく事が『専門職としての質を高めていく』ということにつながると信じています。

 

なくなる職業一覧の中にも、AIでは代替することのできない部分があるのではないかと思います。

これまでの既成概念にとらわれるのではなく、新しい発想・柔軟な発想で、私たちは子どもの発達支援・自立支援の在り方を追求していく必要があるのではないかと考えています。

 

児童発達支援センターおひさま  河野 光輝