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お正月休みに書類整理をして考えた・・・ ― 支援はご縁をつなぐ―

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年末年始のお休みが長かったので、ずっと気になっていた書類の整理をしました。

 

私には19歳になるダウン症の娘がいます。娘の福祉関係の書類を1冊のファイルにまとめていますが何年も整理できずファイルがパンパンに膨らんでいました。私はどの書類がどこにあるかわかっていますが家族は知りません。そこでインデックスに書類名を書き何に必要な書類かわかる内容と担当者名や名刺などを入れて家族が分かるように整理しました。

私に何かあったらきっと困るだろうとずっと心に引っかかっていたのでようやく整理することができて気持ちがすっきりしました。

 

支援学校中学部の頃から残してきた書類で、すごい量です。現在必要な書類を残し古い書類を処分することにしてひとつひとつ見ていくと、その書類にまつわることが色々と思い出されます。娘は放課後デイサービスおひさまの卒業生でもあり当時の個別支援計画書を見るとその頃先生方が考えて下さった取り組みや個別課題などが娘の今の就労につながっているとありがたく感じられます。

 

中学部当時、利用させていただいた社協の移動支援の書類もありました。

放課後等デイサービスのない日は、下校の移動支援で毎回社協のヘルパーさんが学校に迎えに行って下さり、娘と一緒に歩いて駅前のバス停まで同行されバスに乗り込むところまで見届けてくださいました。移動支援は義務教育の間までしか受けられません。高等部になると、今度はバスを乗り継いで帰ることになりました。私が同行して何度か練習した後いよいよ一人で乗り継ぎして帰ります。ちゃんと乗り継ぎできるか心配でしたが当時の相談員さんが協力して下さり、娘の下校にこっそり付いて行き、一緒にバスに乗って乗り継ぎの様子を確認して下さいました。これは親ではできないことで顔見知りでない相談員さんだからできたことなので本当にありがたかったです。

このような支援のおかげで娘は公共交通機関を利用することができるようになり、今ではJRを利用して通勤しています。

 

医療関係の書類には当時の主治医の先生のお名前がありました、先生は心臓の定期検診に伺うたびに「Aちゃんが初めて救急に来た時は、僕は息子の結婚式の引き出物を選びに鶴屋にいってて電話で呼び出されたんだよね~」と毎回毎回お話しされたものです。今は現役を退かれましたがお話に出てくる息子さんが現在、娘の主治医でいらっしゃいます。何だか不思議なご縁を感じます。

 

そんなことをつらつら思い出してみると、これまでどれだけの方々が娘のために支援をして下さったのだろうと考えました。

ここにある書類に関係する人たちだけでも相当な数です。

本当に数えきれない方々が娘を支えて下さいました。

感謝・感謝・感謝でしかありません。

これまで受けてきた御恩をどうやってお返ししたらよいでしょう。図らずも今私は子どもたちの発達支援に携わらせていただいています。これもご縁でしょうか。

娘が頂いた多くのご支援をこれから私がたくさんの子どもたちにお返ししていくことがご恩返しになるのではないかと感じています。

多くの方々のご支援からたくさんのご縁がつながりました。娘も私もまたこれから新しいご縁をつないでいきます。

 

児童発達支援センターおひさま 児童発達支援事業所 一山