若草学園の実践ブログblog

「幼児期のこだわり」について

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お家で困っている事はありませんか?例えば、好きなタオルや毛布があり、それをいつも持っていて、洗う事も難しい・おもちゃで遊んでいて、おもちゃが手放せず次の行動へスムーズに移せないなどです。それを注意されたり、取り上げられると大泣きすることはありませんか?ぽかぽかクラスにも、お家の人から「どうしたらいいんでしょう?」などご相談があります。

私達は、集団の中で、あるいは小学校生活の中で困り感を少しでも減らせる様にと考えています。

私達はこんな関わりをしています。まずは信頼関係を築く事です。(お家の人はもう信頼関係できていますね)たくさん遊んで、興味を共有してその子を知り、私達を知ってもらいます♪それと同時に、本人とやり取りしながら「ここまではOK」を決めていきます。例えば、手から離せず、お集まりのイスに座れなかったら、「そこでいいよ!見ててね」と声をかけます。無理をさせず、頑張りを認めてあげます。まだその子にとってそれが精一杯!何回も何十回もそんなやり取りを繰り返して、持ったままならイスに座れたり、持ったままなら活動に参加出来る様になっていきます。その間も次のステップへの声掛けもしていて、「イスの下におこうか?」「この箱にいれようか?」等から、少しずつ離すトレーニングを取り入れていきます。「いや!」と拒否が強い時は、「まだ嫌だったんだね」と、無理はさせません。大切なのは、子ども自身が自分で切り替えること。今の気持ちを受け止めながら、ステップアップできる様に支援していきます。こういったやり取りを続けていく事で、「今は放せる時」が来ます!短い時間かもしれませんが、その子にとっては大きな成長なんです。個人差はもちろんあり、1ヶ月、半年、1年と手から放せる時間もバラバラ。根気強く、スモールステップで関わる事で、「こだわり」は小さくなり無くてもいい物へ変化します。実際に子ども達の姿をみて、凄いな~頑張ってるな~と驚かされます。そして、1つ感じた事は、「こだわりは大人が作る」という事です。これは、「オムツしか履かないから、オムツにしておこう」というように、今のままでいいや!という関わりが子どもが自分の力で成長する機会を奪ってしまうという意味です。大人が思っているより子どもの成長は早いです。今をしっかり観察して、どう関わったら良いのか?一緒に考えていきましょう。大きなタオルを引きずっていた子どもが、手の中に収まるハンカチへ変更できるなど、色んな方法を伝え続ける事で、こだわりは変化し自分でコントロールできる位になっていきます。このような幼児期からの関わりが、「ま~いいか!」と思える様な柔軟力のある人へ成長するのではないでしょう?こだわりは誰にでもあります。しかし、最小限にしておくことで大人になった時に、社会の中で生き易くなっている事でしょう♪

 

児童発達支援センターおひさま 児童発達支援事業 岩下 多恵