若草学園の実践ブログblog

雨にもまけず、風にもまけず

カテゴリー:若草学園の実践ブログ

このタイトルを見ると、多くの人が「あっ」と思い出すと思います。そう宮沢賢治の詩の始めの言葉です。この言葉のように毎日学園から自転車で通学している高等部の子どもがいます。

私は通勤でほぼ毎日この子ども達と朝すれ違います、私は車ですが彼らは自転車です。1年四季を通して寒さに頬が赤く吐く息が白くても、夏は汗をかきながらの自転車通学は片道約1時間近くの距離です。
すれ違う際にはにっこりと笑顔をみせてくれたり、たまには目をそむけたり、きっとその日の気持ちが姿に表れているのだなぁと思い、気になる時は下校後「何かあった?」と声を掛けると「あのね」と思いを伝えてくれたりしますが、多くは「別に」です。

ある日、いつもより遅い時間にすれ違うと、一人は歩きながら、そして、一人はその横にゆっくり自転車をこぎ登校していました。私はすぐに園に電話を入れT君が歩きながら、U君は付き添ってゆっくり登校しているけど何かありましたかと尋ねると、特に朝は変わった様子もなかったが勤務のスタッフはすぐ本人達に連絡し、学校にも少し遅れるかもしれないと連絡を入れてくれました。
確認するとタイヤがパンクして乗れなかったのでバスで行こうとした。しかし、間に合わなかったので、歩いて行く事にし、1人の子どもが付きあってくれたそうです。前日に報告しても、いつも帰りが遅いのでパンク修理は間に合わないとT君なりに考えての行動だったのでしょう。

それにしてもあの距離を歩くなんて…若いから出来る事なのでしょう。
高等部の年齢になるとなかなか思いを伝えてはくれませんが、毎日あの距離を自転車で往復し通う事できっと体も心も成長している気がします。

雨にもまけず、風にも負けず、雪にも夏の暑さにも負けぬ、丈夫な身体・心を育て卒園の日を迎えることでしょう。それまで寄り添い、見守って行けたらと改めて思いました。
ガンバレ 自転車通学生 !!

入所部  看護師 米村 郁子