若草学園の実践ブログblog

ストレスサインに気づく

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 コロナウイルスの影響で長期の休校が続き、新年度が始まったばかりの4月も終わろうとしています。そのような中で、おひさまでは朝から子どもたちの受け入れを行っています。子どもたちをはじめスタッフも手洗いうがいはもちろんのこと、施設内の消毒や換気を徹底しながら療育を行っています。保護者の方の中には、感染を心配され、利用を控えられている方もおられ、子どもたちも長く休校が続いていることから「学校の友達にあいたい」「なんでおひさまだけなんだろう」と寂しい気持ちを言葉に出す子もいます。唯でさえ新年度が始まり今までと違う友達や環境に慣れようとした矢先に学校に行けない、外出もできないとなれば、子どもたちはストレスを抱えてしまうのも当然です。また、見通しのもてないことからパニックになってしまうことさえ考えられます。そんな中で大切なのが子どもたちの発するストレスサインを見逃さないことだと思います。子どもたちは自分では気づかないうちにストレスをためていて、サインを出せないことも多いと考えられます。そのため、周りのおとなが子どもたちの普段と違う様子が見られたら、それに気づくことが大切ですが…、ある日、その子は、帰る時間になったので車で送っていこうとすると、「あるいてかえる」というのです。(歩いて帰るには距離も遠く)いくら車でないと帰れないよと言っても「あるいてかえる」といって泣いてしまいました。結局、お母様に迎えに来ていただくことになり、喜んで帰ることが出来ました。それを見て、ようやくお迎えに来てほしかったのだということがわかりました。このように子ども自身が本当に言いたいことを言えず、私自身も本当の気持ちを汲み取ることができないことがあり、子どもたちのことをもっと深く考えなくてはならないことに改めて気づかされました。
 これからは、子どもたちのサインだけでなく普段と違う様子から何を発信しているのかに気づけるように接していきたいと思います。同時に、活動においてはこれからもストレスケアにつながるような楽しい遊びや運動などを取り入れていきます。ご家庭でもできるだけ規則正しい生活を続け、適度にストレス発散できるような方法(音楽を聴く、運動する、家族で一緒にゲームするなど)を工夫されてはいかがでしょうか。
 参考として、少しだけですが子供たちのストレス反応について紹介したいと思います。ストレスを受けた時に出るからだの症状としては、頭痛・腹痛、不眠などがあり、行動面の変化としては、落ち着きがない、食欲が増えるor減る、いつよもよりよくしゃべる、よく泣く、しがみついて離れない、言動が幼い、夜尿・おもらし、わがままになる、遊びの中で繰り返し今起こっていることを再現する。などがあるようです。また、このようなストレスに家庭でどう対処すべきかについては、日常を維持する(いつもと同じ時間に起きる、規則正しく食事をとる、など)。親子でできるアクティビティを取り入れる(ラジオ体操、ストレッチなどで体を動かす。ゲーム、粘土、お絵かきなど室内で遊ぶ)。人との絆を大切にする(学校の友達や先生、祖父母や親戚、部活の仲間などつながりを意識する。子供自身が電話やメール、SNSなどで連絡が取れるようにする)等が挙げられています。(参考:「国立成育医療研究センター」ホームページ、新型コロナウイルスと子どものストレスについて)
 また、NHK「ためしてガッテン」(2020年4月22日放送)の「新型コロナの今こそ!“ハッピーホルモン”で不安ストレス撃退」によると、ハッピーホルモンといわれるオキシトシンの分泌を増やすことでストレス・不安を軽減できるそうです。これは親しい人と触れ合ったとき(番組ではハグしていましたけど…)などに出るホルモンですが、いまはできるだけ人との接触を避けたい状況なので、軽くスキンシップすることや親しい人と話をする(電話などでもよい)だけでも効果があるそうです。
 これからも続くと心配されるコロナウイルスの影響ですが、今できることに精一杯取り組み、負けないようご家庭と協力しながら頑張っていきたいと思っています。

※こどものストレスにいては、「国立成育医療研究センター」のホームページ、「新型コロナウイルスと子どものストレスについて」やその他にもお子様にも分かりやすい資料が提供されています。興味のある方は参考にされるとよいと思います。

若草学園 通所部 
放課後デイサービス「おひさまぷらす」
 治部田 均