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SST(ソーシャルスキルトレーニング)

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 SST(Social Skills Training:ソーシャルスキルトレーニングは社会生活技能訓練とも呼ばれます)はなぜ必要なのでしょうか?

 家庭では、大人が子どものペースに合わせることでできた事も、学校などの集団生活ではそうはいきません。1人の遅れがクラスのみんなを待たせてしまうことやみんながしている事に参加できず、経験することができなかったといった事になります。また、注意を受けることで自信をなくしたり、強く怒ってしまうことにもなります。そのため、そこでのやり取りがとても大切となります!

 ソーシャルは「社会的な」、スキルは「教育や訓練によって獲得した能力」、「その人が属している集団(幼稚園・保育園・学校)の中で、求められている適切な言動がとれる技能」という意味があります。

例えば集団の中での困り感として・・・(一例として)

  • 自分の番が待てずに先にしてしまう、授業中に自分のしたい事を、勝手にやり始めてしまう。(自己コントロール)
  • お友達の輪や活動に入る事を拒む(経験・自尊心)
  • 粘土やのりを触ることが嫌い、お友達が近づくと叩いてしまう(感覚)
  • 自分の話を一方的にする、冗談を真にうけてしまう(気持ちを読み取る)等があります。

自分の番が待てずに先にしてしまう、授業中に自分のしたい事を、勝手にやり始めてしまう。(自己コントロール)の対応としては…

今すべき行動を理解しているか、確認する事が大切です。

今すべき事が分からないと、黙って教室を出てしまう場合もあります。そんな時は大人が内容をかみ砕いて説明し、「今日は見るだけにしよう」、「1分だけ取り組んでみよう」など参加に誘うやり方は子ども一人ひとり違ってくると思います。

課題や活動をする事は分かっているけど、今は遊びたい!(違う事をしたい!)という気持ちを優先する子どもは、順番を待てず遊具へまっしぐらとなるとことと思います。

分かっているけどしたい事を優先してしまう!というお子さんは、何をしたいのか、どこへいくのか、その事を周りの大人に伝える練習をすることが大切です。

そして、教室では今何が行われているのか、その進み具合などを知らせて、どこから入れるのかを子どもと相談します。タイマーで戻ることなどを決めながら、課題への参加を少しずつ促していくことができることもあります。

順番に並ぶ時は、待てる時間だけ待つなど、少しずつ伸ばしていくこともできます。

自分の前に、あと1人、10秒待ってみようなど、できたという成功体験を獲得していくことが大切です。

おひさまでは「できた時間」を少しずつ伸ばし、子どもの自己肯定感を増やしていく事を大切にしています。

どんな行動をすれば良いのかを伝え、少しでも一瞬でも良い行動を取れた時には、褒める!事を忘れないようにしています。

これからの成長と共に、少しずつ社会に参加していく機会も増えていきます。そこでは人と関わりながら学ぶ事がたくさんあります。少しでも困らないよう、正しい行動を伝え、子ども自身が考え行動できるようにサポートしていく必要があります。

お家でも、SSTされていますよね?

私も息子に、「言わないとわからないでしょ!」とよく言うのですが、子どもが大泣きしてしている時には伝えられなくても、落ち着いてからいえたときは、「そうだったの。わかった!よく言えたね、ありがとう!」と伝えるようにしています。(大人が言える時でもいいのです!)

こんなやり取りの積み重ねで、子どもは考えてくれます。

「適切な言動がとれるようにする」のがソーシャルスキルトレーニングですが、そこでやり取りする時に大切なのは「信頼関係」ですね(*^^*)私もおひさまの子ども達と、そのような信頼関係が気付けるようにしていきたいと思っています!

 

放課後等デイサービス おひさまぷらす 岩下