若草学園の実践ブログblog

思いやり

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私事ですが、昨年人生で初めて骨折をしました。しかも、2回。1回目は右足に1か月のギプス生活でした。2回目は右手。開放骨折でしたので傷口を縫って骨折箇所を固定したらすぐに帰れると軽い気持ちで救急に行った所、即手術・即入院でした。軽く受け止めていた為、先生に何度「あなたは重症なんです」と言われたことか。毎週の通院の帰りにランチをして帰っていたのですが、様々な方に手助けや、さりげない優しさを頂きました。例えば、ドレッシングをかけようと瓶の蓋を回そうとしたのですが「握る」力がなく開ける事ができず置いたところ「開けましょうか?」と隣のテーブルの方が声をかけて下さりました。包帯を巻いていた為、怪我をした人がいると気にかけて下さっていたのでしょう。

2か月半ピンで固定し「これ以上の固定は感染のリスクが高くなるから」とようやく全てのピンが外されました。左手で食事をしていた為、随分箸の扱いも上手になったところです。

すぐに動くとは思っていませんでしたが、「動かそう」という意思がないと動かない、しかも痛い。小指を1本動かす為に掌の筋肉、腕の筋肉等沢山の器官が連動しているのだと気づかされました。今まで、意識することなく指を動せていた事にも驚きです。今では、見た目も動きも分かりませんが、小指第三関節が曲がらない(第一関節も曲がりませんが)。その時の不自由は、粒状の物を掴んだ時、穴の開いた袋のように小指から落ちていく。細いものを握る時に安定しない。小銭を財布に入れる時に落ちる、等など。些細な事ですが不便です。また、小指が曲がらないと握力が半分になるそうで、今の握力は小学生並みです。

固まってしまった筋や関節は自分で曲げるには痛さや折れるのでは?というのもあって力を加減してしまう為、今は装具を作って頂き装着しています。

先日、病院の歩道を歩いている時にふと「何事もない体でいるだけで幸せだなぁ」としみじみ思いました。なってみなければ気付かない事は多いもの。その為、想像力を働かせ「思いやる」ことが大事なのだなと感じています。

 

 

入所部 前田