若草学園の実践ブログblog

前向きに

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先日ある番組に出ている1人の男の子に目が留まりました。名前は秋山大輝くん。長崎県諫早市に住む4人家族。中学3年生の男の子です。2万人に1人と言われる、生まれつき骨が脆い「骨形成不全症」という難病で、くしゃみや寝返り、オムツを替えても骨が折れる程で、これまでにひびも含めると骨折は50回以上だとか。さらに骨折すれば少なくとも1ヶ月は寝たきりの生活…そんな大輝くんにはたくさんの苦労があるだろうと思いきや、今の悩みは「頭に埃がたまること」なんだそうです。

大輝くんは地元の支援学校に通っています。病気の治療や、継続したリハビリが必要な子どもたちが通う学校で、全校生徒は40人程の小さな学校。支援学校の授業には座学以外にも「自立活動」という時間が設けられており、毎日1時間学校の先生と考えたものの中から、当日の体調に合わせて自分のメニューを組み立てていきます。小学校の時からこの「自立活動の時間」で骨折しないように、少しずつ少しずつ負荷を増やしてきたそうです。

そして学校の授業が終わればすぐさま休むことなく学校に隣接するリハビリセンターへ。そこでは滑り台を後ろ向きに登っていく不思議なリハビリを行っています。将来、自分で自立してトイレが出来るよう猛特訓しているそうです。「自分の為ですよね。出来ることを増やしていかないと、いずれは1人になるかもしれないから。高校を卒業すると本当に1人でやらなきゃいけないことですから。そろそろ考えていかないとと思っています。」と。

そんな毎日ハードなリハビリ生活を送る大輝くんの1番の癒しは「笑点」。休日はテレビに張り付いて観ているそうです。

将来の夢は、好きなおしゃべりを活かせるアナウンサー。今では、桝アナウンサーのようなアナウンサーになる為、早口言葉の練習やアナウンサーになる為の本を読みまくっているそうです。リハビリに勉強にと大忙しの大輝くん。しかし、その忙しさに苦に感じたことはないそうです。

 大輝くんのとにかく明るく、前向きな姿に心を打たれました。きつい時や落ち込んだり、嫌なことがあった時、ついつい物事をマイナスの方向に考えがちになりますが、前向きな方向で考えることで気持ちも明るくなります。

大輝くんを通して改めて、日々の発達支援の中で、子ども達の自立に向け、今私たちが出来ることを丁寧に関わっていきたいと思いました。子ども達の希望や夢が叶うよう、あの時おひさまに行ってよかったと思ってもらえるよう、お手伝いが出来たら嬉しいです。 

 

児童発達支援センターおひさま  児童発達支援事業 宇藤