若草学園の実践ブログblog

やる気を持って楽しく取り組めるように✨

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児発では、1週間毎に活動の内容が決まっています。あらゆる活動を考える際、事前にスタッフ間でねらいを定めた上で、「ここをこうしたらもっと子ども達は興味を持ってくれるんじゃないか?」等と話し合います。

色々と事前に準備した上で、いよいよ活動が始まります。想定通り、気持ちが向いて取り組んでくれるお子さんと、その時の状態によって想定していた反応とは違う反応が返ってくるお子さんがいます。

後者のお子さんに対しては、スタッフが付き添い、活動に気持ちが向くように関わっていきます。

 

先日、Hくんとのやりとりを通して、やる気を引き出す関わりの大切さを改めて感じたため、ここでご紹介させて頂きます。

Hくんは、自分の興味関心のある事には、例えその工程の中に苦手な事が含まれていても頑張れる力を持っています。しかし、やるべき事に興味関心が持てなければ、何にもやりたくない!と頑なな様子が見られます。

 

その日の活動は「製作」で、内容は「黄色い鳥さんを作ろう!」でした。

 

 

 

送迎の車内で活動内容を説明していると、その日は鳥を作るという事に興味が湧かなかったようで、「作りたくない」と教えてくれました。

そこで、Hくんが鳥さん作りに関心が向くような関わりを考えるため、その時に私の中でヒットしたのが、“Hくんはお家で猫を飼っており、その猫をとても可愛がっている事”でした。その猫に作品をプレゼントするという提案をしてみよう!と考え、活動の前にHくんをスタッフのお手伝いと称して、おひさまにいる猫ちゃんに会いに行く流れをつくりました。

そこで、しばらくHくんと一緒に猫ちゃんの様子を眺め、「Hくんのお家にも猫ちゃんいるもんね。猫ちゃん達元気?」と尋ねると、「元気よ!超〜可愛いんだよ!」と嬉しそうに教えてくれました。そのタイミングで、「あのね、猫ちゃんって鳥さん大好きなんだよ!Hくんも鳥さん作って、おうちの猫ちゃんにプレゼントしたら、猫パンチして遊んでくれるかもよ♪」と声をかけてみると、「僕、お家の猫ちゃんにプレゼントする!2匹いるから、鳥さん2つ作ってもいい?」との反応が

なんと、1つも作りたくない…と言って頑なだったHくんが、2つも作りたい!とやる気を出してくれました!

そこからお部屋に戻り、製作の時間には先生の説明でバッチリ取り組めました活動時間内には1つしか作る時間がなかったので、みんなが自由遊びをしている時間にもう1つ頑張って作りました

いろんな先生から、「可愛い鳥さんが出来たね〜頑張ったね!」と褒められ、嬉しそうなHくんでした

その後の連絡帳にて、作った作品をお家で猫ちゃん達にプレゼント出来た様子が書かれてあり、私もとても温かい気持ちになりましたお家の方もしっかりと褒めて下さったようで、更にHくんの自信に繋がったんじゃないかと思います!

大人でも、興味の無い事ややりたくない事に取り組む時には心身ともにストレスがかかりますよね子どもは集中出来る時間も短く、やるべき事に取り組んでどういった意味があるのか等、物事を見通す力もこれからつけていく段階です。

大人は、「この作業を通して手先の器用性を身につけたり、道具の使い方を学ぶ練習になる」というように目的を考える事が出来るため、ついつい理屈通りに言いたくなってしまう事もあると思います。しかし、これをそのまま子どもに伝えても難しい話ですよね

子ども達が楽しく経験を積んでいけるにはどのように関わったらいいのか?を常に考え、今後も支援に当たっていきたいなと改めて思いました

 

児童発達支援センターおひさま 児童発達支援事業 奥村