若草学園の実践ブログblog

旅立ちの時

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熊本独自の緊急事態宣言が解除となり、子どもたちが、待ちに待った家庭への帰省も出来るようになりました。

今年度卒園のK君が夕食後「お父さんまだですかね」とお父さんの迎えを首を長くして待っています。

私が入職したころは、コミュニケーションが得意ではない彼は、新しい職員にたいして思うように会話が進みませんでしたが、2年の後半から3年生の実習を経験する中で、自ら声を掛けてくれるようになっていました。

ようやくお迎えが見え、玄関での送り出し時「もうすぐ、卒園ですね、実習で頑張られ最近では笑顔で話しかけてくれるようになったんですよ」と、お父様に声を掛けると「いやあ、ここがあったからこの日を迎えられました、本当にありがとうございました」と感謝の言葉を頂きました。それを聞いてたK君「僕なんかがいいんでしょうか、迷惑かけてるばかりです」と言ったことに「何を言ってるんだ、必要ない人間なんて誰も居ないんだから」とお父様が声を掛けられると「だって、皆の足手まといになっていると思う」と返しました。私も「お父さんの言う通リ、だってK君よく頑張って実習も行けたし、K君の方から話しかけてくれて本当に嬉しく、成長されたなと思います」と声を掛けると、笑顔で「そうですか」と照れ笑いしながら、お父さんと共に久しぶりのわが家へ帰省しました。

我が子の成長は誰しも嬉しいものです。まして、様々な事情で学園で生活している子ども達、久しぶりに会える親御さんも我が子との時間を待っておられたと思います。親子の心温まる場面に感動をもらいました。

これからは更に環境が変わり社会へと旅立ちます。今年度は9名の卒園児が、自宅やグループホームや就職で旅立ちます。私も、さみしい様な…そして、成長した子ども達の姿に頼もしさと、新たな試練があるだろうと不安を持ちながら、それぞれの行先に送り出したいと思いました。

  

入所部 看護師  米村 郁子