若草学園の実践ブログblog

インドネシアからようこそ!!

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インドネシア出身のDewi先生(女性)が、9月から若草拠点で勤務されることになりました。

APU(立命館アジア太平洋大学)の言語センターで、多国籍の学生さん達にインドネシア語を教えていらっしゃった文学博士です。博士課程では、アイデンティティの研究をされていたことから、子ども達の発達はもちろん、子ども達の療育・支援に関わる20代、30代、40代の先生たちのアイデンティティにも興味深く関わっておられることが分かります。

 

 現在、児童発達支援センターおひさまの現場に入って、子ども達と一緒に汗を流しながら療育を行い、毎日先生達との振り返りを行われています。また、相談支援センターいちばん星では、ペアレント・プログラム(家族支援)に参加し、そのプログラム後のカンファレンスでディスカッションを行い、日本人の当たり前に疑問を呈して頂き、改めて“言葉の意味”を深く考えるいい機会を与えてくださっています。

 

ペアレント・プログラム終了後、カンファレンスでの1コマをご紹介します。

 

「日本人は、なぜ(お父さんやお母さんのことを、子どもに対して)“スキ?”と聞くのですか?」

「・・・???」

「なんでもそうだけど、“好き”でなかったら、次は“嫌い”が出てきますよ」

(好きか嫌いか=0か100)

 「もっと大切な言葉(表現する言葉)はないのですか?」

 

短いやり取りの中、とても深い言葉だと感じました。

つい、私たちは、子ども達に対して、「お父さん(お母さん)好き?嫌い?」とか、「○○は好き?」「○○は出来る?できない?」など、割と簡単に使っていると感じます。

語彙数も、まだまだ未発達段階にいる子ども達に対して、「好きか」「嫌いか」など、二択で応えさせるのではなく、その場の状況や感じ方を表現できるように伝えていくことが大人側には求められているのでしょう。

 

「言葉」は、人間にしかない高次脳のものです。端的な言葉だけでは表現できない感情があるからこそ、豊かな感性が育っていくのだと感じます。

 

相談支援の立場においても、「その言葉」がどの視点から発せられているのかを感じ取ることが求められます。「相手の立場に立つ」ことは、「自分自身の物差しで考えない」こと。

福祉の仕事は、年齢に関係なく、学び続けることが求められることを感じてなりません。

 

 Dewi先生とのご縁は、若草拠点全体にも、私自身にも、豊かな彩りと大きな広がりをもたらしてくれています。これからが、もっともっと楽しみです。

             相談支援センターいちばん星

                    伊豆野