若草学園の実践ブログblog

子どもの目線

カテゴリー:若草学園の実践ブログ

私の愛読書の中に、(故)渡辺和子さん(シスター)の「信じる愛を持っていますか」の著書の中に、大人が歩きながらタバコを吸っているとき(現在ではありませんが)手を下ろした大人の手には火のついたタバコ、そして、大人と手をつなぎ歩いている子どもの顔がそこにあります。私たち大人が何気ない行動や動作の中に、子どもの目線から見たら危険なことが多くあります。また、子どもは柔軟な発想で物事を考えます。同書の中の一節にある教師の言葉ですが、子どもたちに「雪がとけたら何になりますか」という問題に、勿論、教科書的な正解は「水」になりますが、ある生徒の答えが「はる」になりますだったそうです。その先生は「はなまる」をあげたいなと思ったそうです。若草の子どもたちは支援が必要な子どもたちが入所しています、支援が必要な子供達だから、つい大人主導で生活支援を考えてしまいがちですが、個別に話を聴くと、子供達なりにきちんと考えているし、当たり前ですが、1年1年成長の証が見受けられる場面があります。現在、若草には2歳から18歳と幅広い年齢層と支援の質も多様化してきている現状で日々の業務に追われる実情ではありますが、少しだけ大人が心にゆとりを持ち、子供の目線にさげ、子供の可能性を信じて係わっていくと、卒園時には大きな花を咲かせて巣立つ子供達を送り出すことが出来るのではないかと思います。「信じる愛を持っていますか」このタイトルの著書に出会った時、私自身が子供の様々な問題で悩んでいました。勿論、すぐ行動に反映することは出来なかったのですが、少しだけ、子供を信じてみようと思えました。あれから○十年…その悩ませていた長男は今、3人の子供の父親として、花丸?ではないかもしれませんが、子供のお風呂、保育園の送迎など子育てに協力しながらお父さんになっています。

子供の頃思いませんでしたか、私たちが寝た後に「おいしい物食べているんじゃないかな」とか「大人はいいな、自分の好きなことが出来て」等…  大人になった今忘れてしまったこの感情、今の子供達も思っているのかもしれません。  

 少しだけ、子供達の目線に下げてみませんか、困っていることが少しみえてくるかもしれません。                                   

 

                                入所部 看護師   米村郁子