若草学園の実践ブログblog

「言葉のシャワー」

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若草児童学園の入所部には

2歳から18歳の子ども達が

入園しています。

 

年齢層の広い子ども達なので

色んな事が日々起こっています。

 

その中で、

未就学児の子ども達の

成長の発見という事は

些細な事ではあるのですが

大きな出来事の一つです。

 

2歳の女の子は

人の事を良く見ているので

警戒心がとても強く

私に優しい人という事が

確信できるまで笑顔を見せたり

話をしたりしません。

 

だからこそ

その笑顔を自分に見せてくれた時

心を許してくれた!

と本当にうれしく感じました。

 

その女の子は

警戒心が強い為、

中々言葉も話してくれませんでした。

 

まだ言葉自体あまり覚えていない

という事もありますが、

「いや」以外声を発する事が

あまりなかったのです。

 

話し始めたのは

小学生や高校生のお姉さん達と

遊びを通して「○○ちゃん」と

言い始めてからでした。

 

少しずつ子ども達の中で

話をして増えていく言葉

とても愛らしくてたまりません。

 

でもまだ職員にはあまり

話をしてくれませんでした。

 

ただ、そんな環境でも

職員は言葉をかけ続けました。

「おはよう」の挨拶から

「洋服はどっちがいい?」

「今日はうどんだね」

など本当に些細な事を口に出し

返事がなくても

言葉のシャワーをかけ続けました。

 

すると少しずつ

職員に慣れて来て言葉を話し始めた

女の子。

 

私たちの考えている以上に

語彙力がありました。

 

ある時

「お絵描きする?」と尋ねると

「うん」と言うので

紙と色鉛筆を「どうぞ」渡すと

「ありがと」

と女の子が言ったのです。

 

とても自然に当たり前のように

何かを貰ったり

渡してくれた時

職員は「ありがとう」と言って

貰っていました。

 

その事で覚えたのか

まわりの子ども達が言っていた為

覚えたのかは分かりませんが

 

小さい子どもは

話せなくても日々の言葉のやり取りを

繰り返し聞いて、口に出さないだけで

いつの間にか習得しているのだな

と感じました。

 

逆に言葉を返してくれないからと言って

大人が余り話しかけないと

子どもの成長にストップをかけてしまう

そんな危険性もあるのだと言うことも

感じました。

 

これからも

子供の視点にたって

子どもの代わりに言葉を紡いだり

子ども達に話しかける事を続け

些細だけど

大きな発見の連続を

味わっていきたいと思います。

 

 

入所部:藤本絢