若草学園の実践ブログblog

「負の経験もプラスに」

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11月、私に異変が起きた。

右顔面が動かない💦

目と唇もピクピク痙攣が起きる。

病院受診し、色々と検査をしてもらい、「末梢神経性右顔面麻痺」という診断。

その日は帰れたものの、4日後の再診の時には、即入院と言い渡された。

それまで周りに迷惑は掛けたくないと「仕事」「家事」「子育て」を何とか

こなしていたが、「即入院してください。」と言われ、

それまで必死に張っていた糸がプチッと切れたのを感じた。

「あぁ、終わった。もう諦めるしかない。」

ホッとしたのもあったのだろうか?意外にも心は落ち込んではいなかった。

「もう、こうなったら、まな板の鯉になるしかない!

仕事も行けない、家事も出来ないのだから。」

覚悟は決まった。

でも、正直辛かった。

何と言っても人は顔見てコミュニケーションをとる事が多い。

人と会った時、まず顔を見て挨拶する。

そして、表情から「元気かな?」とその時のコンディションを伺う。

自分にはその表情が半分無いのだ。

相手に顔を見られたくないとつい顔を反らしてしまいそうになる。

申し訳ないのだが、笑顔を作れない姿をどう思われるのか不安で仕方ない。

コロナ禍になり、初めてこんなにもマスクという存在に感謝した。

日常生活も色々と不便だ。

右目がつぶれない、口が右半分大きく開かないので食べ物が上手く口の中に入らない、

ストローが吸えない、うがいがなかなか出来ない、

汁物が右側の口から漏れる、などなど。

とにかく左右のバランスが悪い。見え方も何かがおかしい。

壊れたロボットの様だ。

40年以上も私と一緒に普通に動いていたものが動かないのだから思ったより大変で、

情けない。今まで不具合も起こさず私に付き合ってくれていた事に気付く。

しかし、今回病気になって気付いた事がある。

限定すると食事の場面である。

普段の療育中、子ども向き合っている時、自分なりに精一杯、

今まで学んできた知識と経験で「子ども中心」で関わってきたつもりだった。

自分が実際に病気になってみると「見る」「噛む」「飲む」が、

機能的に無理なんだと気付いた。どうしても難しい。

関わりが大切といつも心掛けていたが、それとは別の現実がある。

子ども達がどこで困っているのか?

もっと学びを深めたいと思った。

この思いは今回の経験がなければ生まれなかったものだから感謝だ。

そして、もう1つ。

入院中、たくさんの看護師さん、看護助手さんと触れ合う中で素晴らしい

「所作」や「チームワーク」を感じた。

上手く言葉では言い表せないが、自分にまだまだ足りていないものが

はっきりと見えた。

これに気付けた事は、入院した私だけの特権だ!

しばらく治療が必要だが、今回の病気を通して学んだこの2つの事を胸に刻み

復活したら学びを深め、視野を広く持ち、精進していきたい。

迷惑をかけ過ぎた仲間への感謝の気持ちを忘れずに・・・。

そして、微力ながら、もっと「求められる施設」となるよう、

白川園の理念に心を寄せて働いていきたい。

幾つになっても「経験」や「感じたこと」は人生の宝物になるなぁ♪

 

児童発達支援センターおひさま 児童発達支援事業   江藤 縁