若草学園の実践ブログblog

生活困難者レスキュー事業

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社会福祉法人白川園では、社会貢献事業として熊本県生活困窮者レスキュー事業に登録しています。

生活困窮者レスキュー事業とは、生計困難者への心理的不安の軽減や公的な制度やサービス等への橋渡しを行うことを目的として、生計困難者に対する相談・支援を行う事業です。

事業としては、生計困難者が公的な制度やサービスなどを受けられようになるまでの間、必要に応じて生活必需品の給付、一時的な住まいや食事の提供等の経済的援助などがあります。

 

先日、飛び込み出産をしたケースの依頼が入ってきました。

赤ちゃんは生後10日程。母子家庭で、「今日飲む赤ちゃんのミルクがない」との訴えでした。実際には、お母さんと子どもが5人いました。0歳の赤ちゃんだけでなく、まだミルクを飲んでいる1才になったばかりの赤ちゃん、食べ盛り・育ちざかりの子どももいました。

 定期的に、食糧支援や生活用品の支援を行っているのですが、上3人の子ども達は、食糧を持っていく度にとっても嬉しそうな表情(心からの明るい笑み)を見せてくれます。特に男の子は、持って行った食パンを抱きしめて「これボクのー!!」と言って、手離しませんでした。

育ちざかりの子ども達の食欲は凄まじいようで、「とにかく量が欲しい」とのお母さんからの訴えがあった為、3回目の訪問の時には、フードバンクにも協力して頂き、沢山の食料を届けることができました。子ども達の心からの笑顔を見ると、本当に「よかった」と思う反面、生活保護が支給されるようになった後の子ども達の暮らしを考えると、何とも言えない気持ちになります。

 

 何らかの事情があり、レスキュー事業に繋がって来られる訳ですが、レスキュー事業での支援をするたびに、「普通(の暮らし)ってなんだろう?」と、シンプルな言葉について、真剣に考える機会となります。この飽食と言われる時代に、フードロスをなくそう!と叫ばれている時代に、なぜ子ども達が貧困に陥ってしまうのか。時代の流れと共に様々な生活背景や環境が考えられる社会問題ではありますが、生活環境を理由に、子ども達の人生が歪められない事を祈るばかりです。子ども達の人生、お母さんの人生、家族という枠組みだけに縛られ過ぎず、できることを一緒に考え、お節介オバサンになって、関わっていきたいと思います。

 

                  相談支援センターいちばん星

センター長 伊豆野良栄