若草学園の実践ブログblog

「エビフライ」

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 先日、入所棟の夕食にエビフライが出ていました。

一気に口へと頬張っていく子や普段通りに食べていく子と様々でしたが、エビフライは子ども達にとって嬉しいおかずの一品になっているのかな~と、ふと思ってしまいました。

 

というのも、私がエビフライで思い出すのは、小学校の運動会のお弁当です。とりわけ豪華なおかずが入っていたわけではないのですが、定番のから揚げ 卵焼き 大人が大好きな根野菜のお煮しめ、そして普段は食べることがなかったエビフライでした。前日の仕込みは私も手伝い、エビの殻を取り丸くなっている背骨を反らしてポキッ!そして小麦粉や卵パン粉で準備完了。また、特別な日になると食器棚の上から三段重やきれいな木箱を出して洗う祖母の横で「お殿様のお弁当箱みたい」といった顔見ていたように思います。朝は母が作るおかずの匂いで目が覚め、祖母も「新米だけんおいしかよ~」と言い、炊き立てのご飯を手が真っ赤になりながらおにぎりを作っていました。塩がきいたおにぎりにはパリッパリの海苔を巻き、重箱ぎっしり並んでいたことを思い出します。また、私の遠い子どもの頃は、10月第一月曜日が運動会と決まっていたので、秋の美味しい地元産の梨やブドウに栗、ミカンなど豊富に添えられていました。そんな運動会の朝を最高に心弾ませられたこと、またその時の記憶を鮮明に覚えていられることに本当に感謝しています。そのお陰で、私も母となり運動会のエビフライはもちろんのこと、おいしいものを作って食べさせてあげたい、喜ばせてあげたいという想いで日々頑張ってこれたように思います。すっかり大きくなってしまった我が子達ですが、欲するなら誰か(四人中)何か一つでも私の味を次の世代へ伝授してくれたら嬉しいな~と思っています。

 

 嬉しさのあまり大好きな物を頬張る学園の子ども達もいますが、「おいしいよね~」(笑顔で)とワクワク感に心で共感することも嬉しさを認める支援になるのかなと思っています。どうしても危険な行為ばかりに目を向けがちになりますが、心に寄り添える支援を心掛けていきたいと思います。

入所部 クレメンツ