あかつきの実践ブログblog

「かえりみること」中村

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先日職員会議で参加職員に、日頃私が自分を律したり省みたりする機会を作っていることを伝えました。SNSなんかでたまに流れてくるいい言葉や、なるほどと思う文章を保存しては、たまに見返して自分がちゃんとやれているかを確認しています。

ため置いていたいくつかの文章をプリントアウトし職員に配りました。前置きとしては、職員たちに強要するものではないことを伝え、時間があったら読んでみてくださいと言い配りました。7枠あり「真の大人の条件」とか「人間関係が壊れる原因」、「正しいだけが全てじゃない」、「じいちゃんの教え」などなどです。ただ一つだけ伝えたかった1枠については読み上げ、一度自分の仕事ぶりについて考えてみてほしかったことがあり、それは私が考えた言葉で伝えました。

 

「人に優しくできていますか?」「上から目線になっていませんか?」「強い口調になっていませんか?」「自分ほど人は面白いと思っていませんよ⁉」「独りよがりではありませんか?」「自分ファーストよりも他人ファーストでないと!」「人は自分ほど出来ないものです。だけど、自分は人ほど出来ていませんよ」

 

ある意味、施設長から職員への叱咤激励ですが、日頃の職員の言動などを見ていて気付くことがあったり、ご利用者の声を反映させたり、職員間の温度差などを感じて文章を作っています。ブルース・リーではないですが、“考えるな・感じろ!”的な伝え方になってしまいましたが、ご入居者・ご利用者方や職員間でのコミュニケーションの在り方について、再確認してほしいという狙いです。

 

今ご入居者にご自分の内科的な健康のことで深く悩み切っている方がおられます。あかつきでは統合失調症の方やうつ病の方など多いので、メンタルケアができるかできないかも仕事として大事になってきます。但し、対象者とか病気とか悩み方・その内容次第では、対応方法や熱心さの緩急が必要であったり、関わりすぎて逆に対象者がさらにきつくなったりします。同じやり方が通用しない現状ですが、職員へ私からは、「○○さんのことは確かに心配です。そして○○さん自身にも私たちの心配は十分に伝わっていると思います。心配をし過ぎることで逆に○○さんにストレスを与えてしまっているようにも見えます(皆さんに心配させてしまって申し訳ない、迷惑をかけてしまっている)。私たちは専門家(精神科のドクターなど)ではありません。○○さんの為には専門家が必要です。浅はかな知識で○○さんに負担をかけすぎないようにしないといけないのではないかと僕は思います。僕の心配も○○さんには伝わっていると思います。なのでここからは過度に時間をかけずに関わってあげようと...これが僕の考えるやり方です。あとは専門家に任せましょう」と。この方については、専門医へ入院されました。心身ともに元気になって戻って来られることを祈っています。

 

対人援助の技術は、信頼関係を築くスキルや、対象者との境界線を適切に保つスキルなどが含まれます。私が学生の時に習った理論ではバイスティックの7原則がありますが、現在はそれを10原則ぐらいに広げていたりします。理論通りうまくいかないこともありますが、考え方の基礎として知っておくと非常に役立ちます。また、様々な対象者の症状などを打ち込むと、今ではそれに対しての対応方法の模範や考え方が閲覧できる世の中になっています。自分のスキルだけでは不十分なことも多いので、やはり私は、“省みること”を習慣にしています。自分の職域の中の進歩を知らされることでスキルは広がりますし、自分が知識の足踏みをしていたり後退している(時代遅れの考え方)ことにも気づかされます。

自分のやり方が一番な訳がありません。たまには対象者と自分のためにどういう寄り添い方がいいのかを考え、自分の立ち位置を認識し、そして今の自分の接し方の良し悪しを省みる時間を作ることをおすすめします。

あかつき・施設長・中村