あかつきの実践ブログblog

「命のつなぎ役として」中村🍀

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あかつきは、軽費老人ホームですので、以前ブログでも書きましたが、”通過施設”の意味合いが強いと思っています。私が26年の経験の中でも、あかつきのご自分のお部屋でお亡くなりになった方は10人もおられません。病気のために病院での療養の末亡くなった方々や、自立した生活の継続が難しく、やむを得ず介護施設へ移行された方々など、生活の場が在宅からあかつきへ、そしてあかつきから最後の場所へ移っていく。その中間での生活のお手伝いを行い、次の場所への橋渡しをしているのだと思っています。

そんな仕事が関係しているかは分かりませんが、実は昨年3匹の保護犬の預かりボランティアを引き受けました。あかつきのセラピー犬のまなぶを保護団体から引き取ったことをきっかけに、里親さんが見つかるまで無償ですが、預かることをしてあげたいと考えました。ご存知でしょうか…多頭飼いは一般家庭では制限があることを。我が家には3匹の犬がいる関係で、多頭飼いがきつくならない程度の頭数と短期間であることを条件に、保護団体からの要請にこたえることにしました。

引き受けた犬たちは、子犬とは言えませんが推定年齢は若い子たちで、外で飼える犬たちばかりでした。1匹は秋田犬と思われ、推定1~2歳でしたが、結構な大きさでした。まだまだ大きくなる犬種です。里親になる方はどんな方だろうかと思っていましたら、2組の家族が見え、1組目は70代のご夫婦。案の定無理と判断されました。ご自分たちが年を取ってからの散歩に不安があると…後ろ髪をひかれながら「かわいらしいんだけどね~」と帰って行かれた奥様が印象的でした。2組目は、4歳の女の子を連れたご家族で、お父さんは私よりも大きな体で30代前半に見えました。このお父さんなら散歩の心配はないと確信でき、女の子もすごく犬と相性がよさそうでした。予想通りこのご家族が里親さんになられました。新築した家で娘さんと一緒に大きくなることを想像したらワクワクしますと、奥様が言われていました。

保護団体からの情報では、県内は飽和状態で、天草・有明両保健所には子犬がたくさん収容され、定員オーバー状態。フォローしているフェイスブックなどで情報をシェアし拡散させていますが、私一人に出来る事は微々たるものです。ただ里親さんたちは共通して、”熊本が殺処分に否定的であっても、引き取られなければ最後の最後で殺処分になるという現実に、自分達も何かしたかった”と。そういう方は多いのではないかと、微々たることでも協力できれば…と言う思いや、1匹でも救いたいと里親になる方がいるのだと思います。

私はただ単に犬好きではありますが、だからと言ってそれだけの理由で預かりボラは出来ません。また、これと同様に、ただ単にお年寄りと接することが好きだからこの仕事を続けられているわけでもないのです。

命のつなぎ役として、また橋渡し役として大いに自分が役立てられているか、自己満足にならぬよう、日々熟考して預かりボラにも仕事にも取り組んでいます。

 

あかつき・施設長・中村 猛🍀