あかつきの実践ブログblog

「私の住む町内の福祉」中村🍀

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先日、梅雨の晴れ間🌞の日曜日、我が家の庭の草刈りをし始め、コロナ禍で地域の草刈りの集まり(私の地域では区役と言います)もないため、流れで移動距離1㎞程草刈をこなしました。数人の町内の方に「お世話です!」と声を掛けられつつ、「もうよかろう!」ときりのいい場所で、刈払機を下ろし道路沿いの石壁にもたれていたら、町内の中心部にお住いの90歳ぐらいのおばあちゃんが、電動車いすに乗って私の前を通りながら、「中村さんのご主人たい!お世話になりま~す!飲みもんは飲みよんな!?」と言いながら、別に一旦停止するわけでなくニコニコ笑顔で私の前を通り過ぎました。

先の方で電動車いすが停まり、おばあちゃんが車の上でバタバタしている様子で、「中村さ~ん!中村さ~ん!」と私を呼んでいます。近づくと「車の動ごかん。どしてだろか?」と。完全に充電切れです。おばあちゃんはカギを抜きながら、「ごめんばってん、家に行ってトラック🚚持ってきてくれんな?。ウィンチのついとるやつがあるけん!」と。助けないわけにもいきませんから、私のアクエリアス🧴をおばあちゃんに渡し、家までトラックを取りに向かいました。ご家族は不在でした。農家らしい大きな納屋には軽トラを含めトラックが4台。確かにウィンチのついているトラックはありましたが、なんと、トラクター🚜が載っているのです。預かったカギの中に軽トラのカギがあったので、とりあえずおばあちゃんだけ軽トラで迎えに行きました。「こっじゃなかたい!」なんて言われながら、電動車いすは置いて連れ帰り、

私:「車は後から家の人に取りに行ってもらうでしょ?」  

ば:「家んもんはいつ帰ってくるかわからんけん、車ば取り行ってはいよ!トラクターは下ろせばよかっだけん」

私:「ばあちゃんトラクター下ろせるの?」

ば:「なんば言いよんな?!中村さんがおろさなんたい!!!」

私:「え?!!おっがですか?」”おいおい...マジか?”

たまに自身に起きる人助けですが、トラクターは初ですし、長足場をつけておろさなきゃいけない。電動車いすはウィンチじゃないと無理でしょうから、「敷地内だけんよか!はよせんな!」なんて言われるし、しかたない...やりますよ!。エンジンかけて何となく操作しながら、意外とうまくおろせました。おばあちゃんを残し、車いすの所に戻り、ウィンチで引き上げ、家で車いすを下ろし、おばあちゃんは”ありがとう”を言う前に、「トラクターばトラックに戻してはいよ!家のもんには知られたくなかったい」”ハイハイ...やります・やりますよ!”

感謝されつつ我が家に帰り、家内にあったことを話し「あのおばあちゃん面白かもんね」と笑われました。翌日の夜🌙、おばあちゃんが電動車いすに乗り、わざわざ昨日のお礼で、畑で採れた野菜と私があげたアクエリアスのお返しを1ケース持ってこられました。別にいいのに~なんて言いながら、「もう暗いからおうちの近くまで送ります」と、車いすに乗り直してもらったら、な・な・なんと?!マジで?...また充電切れで動かないんです。「これもう寿命なんじゃない?今日こそ息子さんにばれますね」「しょんなかね...息子ば呼んできてはいよ」 ガックシのおばあちゃんを家内に見ててもらい、息子さんを呼びに行こうとしたら、後をつけて来ていた息子さんが登場。昨日からの事情を説明。「ぎゃん夜にこっそり出かけよったけん、どこ行くとかねてつけてきたら、中村さんとこだもんな。ほんにいっちょん言うこつ聞かん親でな」と、とりあえずトラックを持ってきてもらい、ひとところ我が家の敷地内で親子喧嘩を聞かされ、これはもう笑けてしまって、お隣さんご夫婦まで出てきて「こんばあさんは昔からぎゃんあんもんな」みたいな、にぎやかな晩方でした。

比較的高齢者の多い町内ですが、ほとんどの方が家族と同居で、昔ながらの町内なので、隣保のつながりが強固な地域です。私は12年前に越してきて、この感じに戸惑いました。例外的に町民に加わり目立った存在なので、90歳のおばあちゃんでも知ってくれていますが、そもそもはよそ者ではあります。なので溶け込むためには、草刈はもちろんのこと、町内の福祉の講師を受けたり、救急講習のアドバイザーや、町内で作るバレーチームにも参加。民生委員候補にまで担がれるようになりました。今はお断りしていますが、私のような仕事をしていると何かと役立つでしょうから、いずれ引き受けることになるのかな。

家族と離れて施設に入居する方々の支援をする立場でいると、例えば、ご入居者の退所先がご家族と同居(在宅復帰)となると、喜ばしく思います。ご家族とずっと一緒に暮らせるこの地域性は、田舎ならではなのかもしれませんが、とてもいいことと思います。ですから地域に暮らしながらも支援してあげられる福祉(隣保の協力も含め)の充実が大事だと痛感するものです。

このおばあちゃん、今度は電動車いすの件で相談に来そうな気配があります。息子さんが翌々日に我が家に訪ねて来られたので...年齢的にはレンタルがいいのではと思っていますが、息子さんは購入してあげたいとのこと。まあこの先でさらに相談があればお手伝いしてあげようっと思っています。

昔の慣習が残る私の住まう地域は、家族と隣保が行う互助の福祉があっていいところです。

 

あかつき・施設長・中村 猛🍀

 

ps あかつきでは、本日から2回目のワクチン接種が始まり、私も本日2回目を打ちます。ワクチン接種の日に宿直で、明日は春の健康診断。大丈夫かな(;^_^A。 無事ご入居者と職員のワクチン接種が終わりますように❕