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「たった1年の付き合いの二人の恩師」施設長・中村

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私は、高校2年の時、熊本の高校に編入してきました。高校1年までは、長崎県立の佐世保の普通高校に在籍しており、当時は、長崎5校・佐世保3校と言われる進学校の一つでした。頑張って受験しましたので、たった1年しか在籍しませんでしたが、かなりの思い入れがあります。その時出会った恩師のお話をさせてください。

高校1年の冬休み頃、父から「来春、転勤になるが、お前は高校生だから、学校と話をし転校しないでいいようにしてもらうから…」と、2年から寮生か下宿生として佐世保に一人残るつもりでいました。ところが、3学期の初めの母と学校側との話し合いでは、長崎県の公立高校のルールで、親が県外に居住する場合の寮生等は認めないということでした。そうなると編入による転校しかありません。小・中学校の様に単に転校では済まないので、編入試験に合格せず失敗すれば高校浪人です。運良く合格しましたが、あの時は慌てました。長崎と熊本とでは、高校のカリキュラムがだいぶ違いました。数学の試験問題には習っていないものが出たのでゾッとした記憶があります。失敗すれば二つ下の妹と同級生になるところでした。

当時、担任は数学の先生で、編入対策の問題を作ってくれ、副担任は英語担当、学年主任だったこともあり数学以外の教科の対策を講じてくれました。このお二人がいたから編入試験をパスすることが出来たと思っています。

編入試験の前々日が転校日。編入の合否にかかわらず、佐世保に戻ることはないので、時間を割いて送り出しをしていただきました。副担任の主導で、同級生や先生方、剣道部からのお別れの色紙がかなりの量でしたが手渡されたとき、山登りを趣味としていた担任から、山登り用のピッケルを渡され、「これは積雪期に登山するときに使うものだ。これで何度も雪山に登ったが滑ったことがなく、先生の命を守ってきたもので30年近く使ってきた。これをお前にやる!意味は自分で考えなさい。」と...先生の意思はすぐに伝わりましたし、今でも大事に持っています。ピッケルを見ながら奮起させられています。

副担任からは、これ以降、私の生涯の銘として使っている言葉をいただきました。さすが英語の先生。

英語で、「Where there is a will,there is a way.」です。

「簡単に言えば、意志あるところに道あり!このように訳せ!リンカーンやニーチェの言葉だ」と厳しくおっしゃられました。私のクラスの色紙の真ん中にも先生が書いて下さっています。あえて英語のまま生涯の銘としています。たまたま、このお二人がくださった物と言葉はリンクしており、迷いなく目標に進むための道具と精神でした。

とは言っても迷うこともありますし悩むことも多いのが現実です。先生方の教えを支えに越えてきた山は、そうは高くなくてもいくつかありました。結果今ここに居られている...上々なのかもしれません。たった1年のお付き合いでしたが、この後、約30年の私の人生の道標をくださったお二人の先生は、恩師であることは間違いありません。お別れしてからその後1度もお会いできておりませんが、お元気でいてもらいたいと願うばかりです。

皆さんには、恩師と呼べる方はいらっしゃいますか?。迷った時、仕事で行き詰った時、その他、そんな時に何か道標となるようなものはお持ちですか?

 

暁荘・施設長・中村 猛🍀