白川保育園の実践ブログblog

「ぶつかり合い」 2歳児ちゅうりっぷ ひよこGr

カテゴリー:白川保育園の実践ブログ

「ぶつかり合い」

 

 園庭で「やめて!」と大きな声がしたので振り向いてみると、クラスのHさんとYさんがゴムチップブロックの取り合いをしていました。普段は大の仲良しのお二人さん。珍しくYさんが「返して!」と声を荒げていたので近づいてみました。

  話を聞いてみるとYさんが持っていたブロックをHさんが奪おうとしたということでした。騒ぎを聞き付け、さくらさんたちが集まってきました。その中にはHさんのお兄ちゃんもいました。「ちゃんと貸してって言った?」「黙って取ったらダメなんだよ!」とさくらさんたちが声をかけるとHさんが泣き出しました。 

 「だって欲しいんだもん!」 

 

 するとさくらの男の子たちがオロオロ(笑)。新しいブロックを取ってきて「これはどう?」と提案。でもHさんはYさんが持っている物が欲しい様子。ここでさくらさんたちがどういう行動を取るのか見守りました。「よーし、あれとおんなじ色のブロックを集めよう!」とHさんのお兄ちゃんが号令をかけると、たくさんのブロックが集まりました。1つずつ「これがおんなじじゃない?」とすすめていく男の子たち。しかし、全て「ちがう!」と却下するHさん。Yさんめがけて砂を投げ始めました。すると、さくらのSくんが「やめようね!」と咄嗟に止めます。 

「目に入ったら痛いんだよ。」 

 

 そのままSくんにハグされているうちに落ち着いてきたHさん。「Yちゃんと一緒に遊びたい・・・」と呟きました。 それを聞いたHさんのお兄ちゃんが、「Hが遊びたいって言っているけど、いい?」とYさんに確認。うなずくYさん。ようやくHさんに笑顔が戻り、同じブロックを使って遊び始めました。

 

  子どもたちがケンカを始めると、大人はすぐに介入しがちです。でもぶつかり合いが起こった時、私はできるだけ見守るようにしています。なぜならぶつかり合いこそ成長するチャンスだからです。気持ちを爆発させたHさん。強引に奪おうとしましたが、しっかり抵抗したYさんも自分の主張ができたと思います。そして、さくらさんたちが時間をかけて気持ちに寄り添ったことで、気持ちを切り替えることができたHさんでした。 

 さくらさんたちは私がすみれぐみの頃担任したお友だちです。「相手の気持ちがわかるようになったんだな〜。」と成長を感じました。さすが年長さんですね! 

 

 林 信彦