「私のイスよ!」
お片付けが大好きなひよこさんたち。 絵本やおもちゃのお片付けを誘いかけると、みんなで競い合うように取り組んでいます。ただ、最近は気が利きすぎてトラブルになる場面を見かけるようになりました。
お集まりの時はイスに座って絵本を見たり歌をうたったりしています。そして朝のご挨拶をする際にイスから立ち上がるのですが、挨拶後に「プールに行くからイスを片付けようね!」と声をかけると、イスの取り合いが起こります。一度立ってイスから離れたことで、自分のイスがわからなくなるみたいでした。
そこでイスに目印を付けようと考えました。動物のイラストにしようかなと思っていた矢先、七夕の短冊が目に入りました。そこには一人一人の顔写真を貼付していました。笹じまいをする際に処分するのではなく、それを再利用することにしました。子どもたちが大好きな「もったいないばあさん」(絵本のキャラクター)の精神です(笑)。
早速イスの背もたれに牛乳パックの台紙(こちらも再利用)を取り付け、写真を貼っていきました。顔写真付きイスの完成です。ひよこさんたちも「顔が付いてる〜!」と大喜び。それからは自分のイスを認識して、使用および片付けるようになりました。
「わたしのイスよ!」
自己主張のぶつかり合いも必要ですが、無用なケースも多々あります。また譲り合うことも大事ですが、それには心の成熟が伴わないと2歳児には難しいです。今回、視覚的に判断できるような工夫をしたことで、イスの取り合いが激減しました。
「ボクたち仲良しで〜す!」
顔写真付きのイスはいわば「自分の居場所」ともいえるでしょう。安心できる場所があれば、園生活はもっと楽しくなります。ひよこさんたちの様子を見ながら、居心地の良い環境作りに取り組んでいきたいと思います。
林 信彦