白川の里の実践ブログblog

倶会一処

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『倶会一処』という仏語があります。『仏説阿弥陀経』に出てくる「倶(とも)に一つの処(ところ)で会(あ)う」というご文(もん)で、同じ阿弥陀さまのお浄土でまた共に仏の身となり会わせていただくという意味です。

 

約、18年前に私の祖父は癌で亡くなりました。祖父は頑固な面もありましたが、門徒さんにはとても優しく面白いお坊さんでした。私たち親戚一同は、身内の一大事が初めてなものでしたので、その現実を受け入れられずにいました。祖父が亡くなる日は皆が嘆き悲しんでいましたが、祖母が祖父の枕元で、優しい表情・優しい声で祖父にこう話しかけました。

「また、会いましょうね…」

それを聞いた祖父は穏やかな表情になり、それからしばらくして、お浄土へと還っていきました。

 

その時、まだ私はお坊さんでなかったので、祖母の言葉が響かなかったのですが、お坊さんになった今、改めて思うと、祖母は『倶会一処』を私たちに身を持って教えてくださったのだと思います。

そのような祖母を誇りに思いますし、そのような人間になりたいと思っております。

総務課 介助員 森川昌樹