白川の里の実践ブログblog

かぞくのちから

カテゴリー:白川の里の実践ブログ

 

 

 先日、ご入居されているAさまの誕生パーティを催しました。

 誕生会当日は、遠方にお住まいの息子さまとお孫さまも帰省され、数年振りの再会からのご家族揃っての誕生会となりました。

日頃から発音も難しく十分な会話の出来る状態ではないAさまですが、息子さまやお孫さまの声掛けにはしっかりと耳を傾けて、身を乗り出すようにご家族の近況についてのお話に聞き入っていらっしゃいました。

当日はスタッフがAさまの誕生会用にウェルカムボードを手づくりしたのですが、ご本人さまもしっかりとボードの文字や写真を見ていただき、ご家族との会話が進むにつれ、最初は硬かった表情が時間の経過と共に見る見る柔和な表情に変わっていったのには、本当に驚かされました。なかでも、全員でバースデイソングを歌って、最後に歌に合わせケーキのろうそくをご本人の力だけで吹き消されたときは、その場にいた全員がとても大きな感動に包まれました。

 その後は2階ラウンジでお孫さまによるピアノ演奏やご家族揃って施設内をみんなで散歩したりなど、まさに家族水入らずの、ゆっくりとした時間を過ごしていただきました。Aさまは自由にお話しすることは難しい状態ですが、日頃あまり見ることの出来ない、終始にこやかで幸せそうな表情を見ていると、自分も家族の一員となったような錯覚に陥り、癒されたような気持ちになりました。
このことを通して感じたのは、様々なケアサービスを通して喜んでいただくことで、実は私達のほうがたくさんの喜びと感動をあたえていただいているのではないか・・・ということです。そうした意味においてAさまとご家族のみなさまには感謝しなければいけないと感じました。

 

 これからも、ご入居者お一人おひとりの状態やご家族の状況に合わせて、ユニットでの個別的な行事やイベントをチーム全員で考え、これまで以上にひとつひとつ丁寧に実施していきたい!と改めて決意しました。

 

西館 主任 吉本 絵里

 

西館介護職 吉本絵里