私の父84歳は、去年から二度の転倒、骨折、手術・・・。さすがに歩くことは難しくなり車椅子生活になってしまいました。母一人で自宅で見るのは難しく老健に入所。少しずつ生活にも慣れてきてくれていた矢先に今度は胆石。胆嚢全摘のため病院に逆戻りとなってしまいました。
先日、面会に行ったときに、私の目に入ってきたのは、両手にミトンを付けられた父の姿・・・。
「あら~。お父さん、ドラえもんの手になってるね」と冗談を言いながらも、何とも言えない気持ちになり、涙が出そうになっていました。
「抑制って聞いたことはあったけど、じーちゃんがされてるのを見るとなんか悲しいね」と一緒に居た17歳の息子も同じ気持ちだったようです。
病院では、何も感じず当たり前のようにしていた抑制(学生時代には、考えていたんでしょうが、慣れって怖いですね)。施設で働くようになり、抑制について考え、抑制をしないために多職種で真剣に考える姿勢を目の当たりにし、“介護って優しい”“介護ってすごい”と思った時のことを思い出しました。
ちょっとした優しい声掛けや父への対応で、私は安心できる。
ちょっとした父へのそっけない態度で、私はとても心配になる。
家族の気持ち・・・。
分かっているつもり、理解しているつもりでしたが、父の入退院を経験し、本当の意味で分かった気がします。
施設に入居されている方々のご家族も、きっと同じ気持ちではないかと思いました。
自分の言葉や態度一つで、ご入居者やご家族の“安心”にも“不安”にもつながってしまうことを忘れずに、自分の言動や行動に気を付けていきたいと思います。
事業部 次長 村田 亜由美