あれは、つい先日の出来事です。ある入居者さんと何気ない会話をしていると、ふと「息子の誕生日がもうすぐだけど…」と言葉にされました。
普段から、自分の事は何も言葉にされないAさんのため詳しく話を聞くと、2月1日が長男さんの誕生日である事が分かりました。「電話したいけど忙しいだろうし、字は下手だから・・・」と少し寂しそうな表情をされ、ポツリとお話されました。
でも、その寂しさの中に何かをしたいという母の思いが見えたため、お手紙を書くことを提案してみました。すると、「子供に手紙なんか書いたことないけど・・・」と言われましたが、すぐさま母の顔になり一文字一文字心を込め『おめでとう』と書いていかれました。
私は、その姿を見て温かい気持ちになるとともに、いくつになっても子供を思う母の気持ちが伝わり、私もAさんのような母になりたいと強く感じました。
私達の仕事は、ご家族の支えがあってこそ日々のケアに繋がっています。今の仕事に誇りを持ち、最期の時まで「ひとりのいのちにみんなでよりそう」を大切にし、職員全員で頑張っていきたいとこの出来事を通して改めて思いました。
東館2丁目 介護職 西田 さおり