白川の里の実践ブログblog

私のおもい「介護の魅力」

カテゴリー:白川の里の実践ブログ

 

新型コロナウィルスが猛威を振るっている今、施設もご家族の面会をご遠慮頂く等、感染を防ぐべく、出来る限りの対策を行っております。私達、職員一人ひとりがチーム一丸となって、利用者の「いのちを守る」という強い気持ちをもって臨んでおります。

 

さて、私は令和2年4月より副施設長という大役を仰せつかり、感謝の思いと責任の重大さに身が引き締まる思いがしております。

思い起こせば今から23年前、無資格で入職し、無我夢中で先輩の背中を見て業務を覚えるのに必死でした。介護の専門知識がなく、先輩から教えて頂くことが、私にとっては介護の知識全てだったのです。

それから半年ほどして、新聞をみるとレクリエーションインストラクター資格養成の記事がありました。当時通所へ配属になった私は、人前で話をすることや体操をすることが苦手だったため、資格取得を目指す決心をしました。新しく学んだことを現場で実践すると「楽しかねぇ~。また、来るけんね」等利用者の言葉に「また頑張ろう」と学ぶことの楽しさを知りました。

その2年後に大分で開催された研究大会に参加させていただきました。利用者の残された機能を活かした「個浴」についての事例発表があり、当時中重度者は当たり前のように機械浴槽での入浴であったため、私にとって「個浴」の実践は衝撃的だったのを覚えています。事業所に帰ってから、まずはポリ浴槽を使ってAさんに入っていただきました。浴槽に浸っているAさんから「気持ちがよかぁ・・家のような風呂には、もう二度と入れんかと思ってた。」と嬉しそうに仰って下さいました。

振り返れば、このことが私にとって学ぶことの大切さを知り、そして「介護の魅力」を改めて知る原点だったように思います。

そして、平成18年に東京で開催された全国老人福祉協議会主催の「自立支援」を実現するための科学的介護実践講座「介護力講習会」に1年間を通し参加させていただきました。「自立支援」について全国から介護職リーダーが一緒に学び施設で実践するという研究形式での研修です。入居間もないCさんは、発語もなく寝たきり状態の要介護5で入居されました。「水・食事・排泄・運動」に着目し、チームで実践しました。周りの協力を得ながら、1年半後には歩行器を使って歩かれるまでになりました。

ご本人に笑顔が戻ったことは言うまでもなく、奥様の嬉し涙にもスタッフ全員で感動を分かち合いました。

 

これらの例は実践の一コマですが、私自身「介護の魅力」を白川の里のご入居者やそのご家族、そして職員の皆様にも教えて頂き、育てていただいたと感謝しています。

白川の里には「人財育成」の理念があります。

その中に「皆が大切な仲間。誰でも大切に育てます」という一説がありますが、利用者や入居者だけでなく、私自身もみなさんから育てて頂き、「人財」のひとりになれたかなと思っています。

これからも育てて頂いた「恩」を、使命感をもって、部下や後輩のみんなへ「恩を送る」、つまり「恩返し」ではなく「恩送り」をしていきたいと思います。これからも微力ながら精一杯努めさせていただきたいと思います。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

副施設長 高岸アサミ