「78」という数字を見て何を思い浮かべますか?
そうです。終戦から経過した年数です。
平和に過ごしている今日の日本も、つい78年前にはアメリカやイギリスを中心とした連合国と大きな戦争をしていました。
3年9ヶ月にも及んだ戦争は、日本国民に耐え難きを耐える生活を強いました。
家族や親族を亡くした方も多くいらっしゃいます。
介護の仕事に携わって約16年、様々な方の戦争体験を聴かせて頂いたことがあります。
- 敗戦後の満州や中国で命からがら帰国された方
- 相手の顔が視認できるくらいに急降下してきた敵機の機銃掃射を必死に逃げられた方
- 産まれたばかりの我が子を抱くことなく南方の戦地でご主人を亡くされた方
- 長崎のキノコ雲を目撃された方
「78」という数字をタイトルにしたのには理由があります。
ひとつは、”今年で何年だっけ?”という声が増えてきているように感じるため。
そして、戦争を体験された方・語り部となられる方が高齢化により減少してきており、最近では全く耳にすることがなくなったからです。
明治生まれや大正生まれの方は、よく体験話を語って下さいましたが、昭和生まれの方はご自分からは話されない方が多いと感じています。
78年も経つと米寿を迎えられた方でも10歳なので、記憶に残ってない方も多いのかもしれません。
しかし、平和のバトンを途絶えさせてはいけないと感じています。
平和に思える現在の日本でも、中国やロシアなど近隣国の脅威は否めません。
78年前のような大戦争に日本が巻き込まれる可能性だってあります。
決して他人事ではない。過去だけの話ではない。
先人の教訓を受け取った自分にできること。
現在、そして未来にもこの教訓を伝えることだと思っています。
こう考えると、介護士も戦争体験の語り部の一員になれるのかもしれませんね。
-2023年8月15日正午-
先人への思いを馳せながら感謝の念とともに黙祷したいと思います
介護:竹澤