学童保育施設の実践ブログblog

「宝物」《 なかよしクラブ》

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芝生の広場にそびえる築山が、11月末から修理にかかっていました。みんなが転がったり滑ったり登ったりして、楽しく遊ぶお山なので、ところどころ土が削れて痩せていたのです。
修理の間、お山には登れませんが、修理につかった土のあまりが、泥遊びの広場にこんもり積まれていました、目を輝かせ、子ども達は泥団子職人に転職します。
「この土はいい。作りやすい。」
と気に入った土をバケツに選別する職人の後ろで、
「おいここに化石が埋まってるぞ!」
と発掘家たち。かと思えば
「おにぎりいかが?」
とお弁当屋さんまでやってきます。すると私のところに
「みて!これ!」
と二年生の男の子達が天才的な球体を模した泥団子をいくつも持って来ます。
「すごいねピカピカじゃん!!世界一じゃん!」
と私もお弁当屋さん達も大興奮。するとあまりの喜びように
「買う?」
と男の子達。なるほど…商品的価値を見出しているんだな…と面白く思い、
「おいくら?」
と尋ねると


「5万円でいいよ。」
そうかぁー5万円かぁー!そうだよね、作った時間もそのフォルムもそれだけの代物だよねぇ、宝物だもの。と、お金を渡すふりをしてひとつ宝物を購入。
「こっちもあるけん!」
と新たに見せてくれたのは、砲丸のように大きな、重厚感のある光沢を放つヘビー級泥団子。
「こ、これはすごい…おいくら?」
と尋ねると、泥だらけの子でニカっと笑って、子ども達が言います。


「9億!!!」  
                         中村 ともよ