「悪者を閉じ込めろ!」
先日、造形教室がありました。
さとちゃん先生(造形の先生)が、「みんな大変よ!画用紙の中からショッカー(仮面ライダーの悪者)が出て来ようとしている。出られないようにクレヨンで閉じ込めて!」と説明があると、「怖いよ〜!」と泣き出したSくん。
それを見たお友だちが、「大丈夫!オレたちが守ってあげる。だから一緒に閉じ込めよう!」と心強い声をかけていました。Sくんも泣き止み、がむしゃらになぐり描きを始めました。
「お願い。出てこないでね!」
「これだけ描けば出てこないよね?」
画用紙の白い部分が見えなくなるまで描き込むと、「それをハサミで切ろう。そうすれば絶対に出てこれなくなるよ!」と次の作業の説明がありました。早速画用紙を切っていくさくらさんたち。
「これでいいの?」
切り終えたお友だちは安堵の表情を浮かべ、次の説明を待ちました。
「切った紙を見てごらん?綺麗でしょ?それを黒い画用紙に貼るともっと綺麗になるよ!」ということで、のりで貼っていくことにしました。
「どんどん貼っていきま〜す♪」
出来上がった物はまさに「芸術作品」。貼り方がそれぞれに違うので、個性的な作品ばかりです。お友だち同士見せ合い、「なんかカッコいいね!」「綺麗!」と感嘆の声を上げていました。
「どう?」
「素敵でしょ!」
お絵描きが好きなお友だちは、よくぬり絵やお絵描きを楽しんでいます。一方で「じょうずに描けないから・・・。」と尻込みするお友だちもいます。今回のねらいは「クレヨンで思い切りなぐり描きをして遊ぶことで、お絵描きに対する緊張をほぐす」「じょうず下手へのこだわりをほぐす」ということでした。今回は「絵を描いている」という感覚はなかったかもしれません。さとちゃん先生にのせられて遊んでいるうちに、いつの間にか見事な作品が完成していたという感じではないでしょうか。絵を描くのが苦手なお友だちも「ボクにも素敵な作品を作ることができるんだ!」と自信になったはずです。次回の造形教室が楽しみです♪
林 信彦