「魔法の言葉」
落ち葉遊びも一段落ついたので、みんなで落ち葉を集めることにしました。単に「お掃除をしよう」と誘ってもサッカーに夢中の男の子たちを動かすことはできません。そこで1つ目の魔法の言葉をかけます。「誰か、一輪車を使いたい人〜?」という担任の声に「はい!はい!はい!」と反応するお友だち。「一輪車を使う」イコール「大人」という「一人前意識」がくすぐられるみたいです。
「やった〜!一輪車が使えるぞ!」
「どこに運ぶの?」とTくん。畑や花壇に運ぶように伝えると「どうして?」とさらに尋ねてきました。そこで2つ目の魔法の言葉の発動です。「畑に置いておくと葉っぱがやわらかい土になって幼虫が集まるんだよ!」「え⁈」 「幼虫」というワードに食い付く男の子たち。ホウキで掃くスピードがグーンと上がりました。
「幼虫、欲しいよ〜!」
一輪車の数には限りがあるのですが、 Kくんが「交代で使おう!」と提案しました。その割には Kくんばかり使っていましたが・・・(笑)。
「オレにまかせろ!」
さくらさんたちが大勢で落ち葉集めをしていたので、Hくんの弟が「何をしてるの?」とやってきました。お兄ちゃんたちが一輪車を運ぶ姿に感化されたのか「ボクも使いたい!」と一輪車に手を伸ばします。すると今度は Kくんが魔法の言葉を使いました。「これはさくらさんになったら使えるよ!」と。残念がる弟くんに「こっちを使うといいよ!」と小さい一輪車を与える Kくん。アフターフォローもバッチリです。仲良く花壇まで落ち葉を運び、やり方を伝授していました。
「こぼさず運べたよ!」
「こうやってひっくり返すのさ!」
一輪車を扱う大人に憧れるさくらさん。そして一輪車を使うさくらさんに憧れる弟くん。「さくらさんになったらね。」という言葉にさくらぐみへの期待感を持つことでしょう。
朝も夕方も落ち葉運びをしたのですが、まだまだ落ち葉が残っています。しばらくは一輪車の出番がありそうです。楽しみながら腐葉土作りに取り組んでいく予定です。・・・ただ、幼虫が出てくるのは卒園後でしょうね(笑)。 在園児さんの楽しみのために頑張ってもらいましょう。
林 信彦