“声のせぬ 親父にあえる 盆供養”
白川の里では、毎年この時期になりますと「初盆・物故者法要」を、ささやかながら営ませていただいております。
今回は、23名の方が初盆を迎え、創立からお亡くなりになられました845名の方々の法要を、8月4日に白川の里で行わせていただきました。
ところで皆さんは、お盆の由来をご存知でしょうか?
昔、お釈迦様の弟子に目連尊者というお方がおられ、そのお母様がわが子を溺愛し、ほかの人や物をないがしろにしたため餓鬼道に落とされました。
目連尊者は、どうにかして母を救いたいので、お釈迦様に相談いたしましたところ、7月15日に懺悔をし、翌日の16日に修行者たちに食事を施せば救ってあげましょうと言われ、目連尊者はそのとおりに施し、お母様を餓鬼道から救われた、それがお盆の由来・起源と言われています。
ただ、浄土真宗ではこの時期に先祖が降りてくるや帰ってくるという教えはありません。お亡くなりになられた方は皆、お浄土へ旅立っていき、仏様にかえられ常に私たちに寄り添い見守っておられるという教えです。
皆さん、「千の風になって」という歌はご存知でしょうか?
わたしのお墓の前で泣かないでください。
そこに私はいません、
眠ってなんかいません。
このフレーズが有名な曲ですが、私は、これがまさに浄土真宗の教えではないかと思います。
確かに、お墓には故人が納骨されていますので、故人に一番近い場所でお参りしているとおもいがちです。しかし、そうではないのです。故人は、常に私たちに寄り添っておられるのです。では、お墓の意味とは何なのでしょうか?
それは、お墓まいりというご縁を頂き、故人をしのびつつ、私たちの命のはかなさや人々を救う阿弥陀様(阿弥陀如来)のご慈悲の力に気づかせていただける場所なのです。
今回、各々が各々の大事なご縁を「物故者法要」にて頂きました。このご縁をありがたく頂戴し、これからの日々の生活において、皆さんのプラスになることをお念じ申し上げます。
合掌
総務課 森川 昌樹