先日、ご入居者A様の付き添いで外部の病院に通院した時のことです。
診察を終え、受付に移動する途中で小さな売店を見かけました。
私がA様に「ここは売店がありますね。よって行きますか」と声をかけると、
A様は、「わあ!!嬉しい。どうしよう」と、長い待ち時間と診察の疲れが一気にふきとんだかのような晴れやかな表情を見せてくださいました。
さっそくA様はお菓子コーナーに行かれ、「どれがいいかしら。久しぶりだから迷うわね」と言いながら、商品を手に取り楽しそうにお買い物されていました。
施設に帰ったA様は、すぐにそのことをユニット職員に楽しそうに話され、子ども様全員にも電話をして喜びを伝えておられました。
私はそのご様子をみて、良かったなあと思うと同時に複雑な気持ちになりました。
私達からすれば些細な日常ですが、日々制限されているご入居者にとっては、その些細なことがとても意味のあることだったのだと改めて気づかされました。
このコロナ禍で、ご入居者にはたくさんのことを我慢して頂いており、
「今だけ、今だけ。仕方ない・・・。もう少しして落ち着いたら・・・」と口癖のように言ってしまいます。しかし、ご入居者の年齢や状態を考えると、「今」という時間がどれだけ大事で貴重であるかを、この仕事を通して教えて頂いてきた筈なのに、いつの間にか深く考えることを止めていた自分を振り返り、反省する機会となりました。
「コロナだからできない」で終わるのではなく、「今だからできること」に切り替え、職員全員で知恵を出し合い、ご入居者に「今日もいい日だった!!」と思って頂ける様な生活を支援できるように努めていきます。
施設福祉課課長補佐 森園 順子