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ヘルパー初心者の頃を思い返して

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ヘルパー初心者の頃を思い返して

 あれは、10年程前、私が訪問事業所に異動してすぐの頃、訪問していたA様、訪問する前にとても難しい方で、対応するのが大変と聞いていました。 リウマチを患っておられ、細かい作業や重い物が持てない、こだわりも強いとの事。調理に伺うと、少し離れた隣の部屋から食材や使用する鍋、食材の洗い方、カットの仕方調味料、火加減等細かい指示があります。とても記憶力が良く、まるで見えているかのようでした。ただ、残念ながら指示通りにすると思ったような料理に仕上がらず期待に応えられないこともあり、私は調理に合格点は頂けませんでした。反面「掃除においで」と指名を頂き、今まで何人も断られてたので不思議に思いました。掃除方法は沢山の物品が床等に置いてあるのを一旦移動して元通りに戻さなくてはならずとても大変でした。しかしA様のおかげで、不自由な方が暮らしていくには、私たちが「きれいに片付ける」という概念を捨てて、その方が一番使いやすいように配置していくことが大事だと気づくことが出来ました。そして、A様のヘルパーに対する叱責は「自分が思うようにならない」苛立ちだったとも気が付きました。それに気づけてからとても穏やかに過ごして頂く様になりました。それから、少しずつ訪問介護の仕事が楽しく出来るようになりました。今はお会いすることがかないませんが、A様のケアは大変だと思いました。多くの事を学ばせて頂き有り難く思いました。 又、一つひとつの経験をケアに活かしていこうと思います。

                                           訪問介護 サービス提供責任者 森本真代