2冊のノート
祖母が亡くなった際に、ノートを2冊母からもらいました。そのノートは、祖母が通っていたデイサービスと母との連絡帳です。祖母は、私の家族と一緒に生活をしており、デイサービスに2ヶ所通っていました。その為、ケアマネの方から、様子がわかるように連絡帳をつけたらどうかと提案があったそうです。
私は、実家を出ている為、日頃祖母がどんな風に生活していたのか、母から聞く話でしか知りませんでした。また、母から聞く話も、祖母は入退院を繰り返していたため、入院になったことや退院がいつになりそうかという事が主でした。たまに会いに行った際も、認知症により私の事を忘れており、ぼーっとした表情の祖母の印象しかありませんでした。母からそのノートをもらい、家に帰って読んでみると、そこには私の知らないいろんな表情の祖母がいました。母は、家での祖母の生活の様子を、デイサービスでは、その日あった出来事や気になる事、デイサービスでの楽しそうな様子が沢山書いてありました。デイサービスの職員の方も丁寧に文章を書いて下さり、デイサービスに居る時の祖母を知らない私でも鮮明にその姿を思い描く事ができ、祖母と丁寧に接して下さっていたことをとても嬉しく感じ、楽しそうに過ごしていた様子を知る事ができて、とても安心しました。
現在、徐々に面会も出来ているとはいえ、コロナ禍により以前のようにご入居者とご家族が会う事が出来ず、不安は多いと思います。その中で、ご入居者やご家族の方が安心できるために、私たちが出来る事は何なのだろう?慌ただしい毎日の中でも、少しでも「白川の里に来てよかった。」と思っていただけるようなケアを提供していきたいと祖母のノートを読んで改めて思いました。
西館2丁目 ユニットリーダー 古野 萌美