ある土曜日の出来事です。
休日ということもあり、朝から「貸してって言ったのに貸してくれん!」「ぼくのおもちゃ持って行った!」「掃除してって言ったのにせん!」「怒って叩いてきた!」と子ども同士のトラブルが続きました。トラブルも解決し、落ち着いたので談笑していると、Iくんが私の膝の上に座り、顔を見つめて「どうしたの?大丈夫?」と声を掛けてくれました。表情に出てしまっていたのかな?と反省しつつ、「今日は朝からみんながたくさん喧嘩したり、怒って暴れたりしたことが悲しくて、心がポキって折れちゃった…。」と言うと、しばらく私の顔をじーっと見つめた後、「よーし!じゃあぼくの心と変えてあげる!」と、自分の胸に手を当てギュッと握った後、私の胸の前に手を当て「ハイどうぞ!」と
「ありがとう!Iくんのおかげで元気になったよ」と言うと、Iくんも安心したようで、ニコニコで膝から降りて遊び始めました。
その後園庭で遊んでいると、Iくんが「これあげる!」と咲いていた花を「お大事に」と言って渡してくれました。
私が心が折れちゃったと言ったので『心が折れた=病気になっちゃった』と思ったのでしょう。優しい心と言葉に、心が温かくなりました。
40名の児童が一緒に生活していると日々トラブルも絶えません。怒って暴れる子、気持ちに余裕がなくなりきつい言葉で相手を責める子、黙ってしまい何も言えなくなる子など、表現の仕方も様々です。ひとりひとりに丁寧に向き合いたい気持ちはあっても大切なタイミングを逃してしまうこともあります。あの時こう関われていたら…と思うこともたくさんあります。その反面、子どもたちの行動や言葉に心が温かくなったり、元気付けられることもたくさんあります。でもそれはこの仕事をしているからこそ感じられることです。子どもたちからもらう幸せを感じながら、これからも日々を大切に丁寧に関わっていきたいと思います。
入所部 宇藤