中学2年生の甘えん坊のOさん。
入所前の家庭では、一人っ子ということもあり、お父さんお母さんが常に傍で見守っていてくれる環境でした。若草児童学園では、不安になったり、自分にとって困ったことが起きると、癇癪を起して暴れる、頭を壁やドアにガンガン打ち付ける行為が良く見られていました。
いつも職員に「○○して~。」「一人でできないもん。だからしない!」と言い、「一緒にするから頑張ろう!」と言うこちらの話は殆ど入らない(発達年齢が幼いこと、特性上、自分の話を一方的にする。発信は出来ますが相手からの受信が苦手で、一見、全く話を聞いていないように感じますが、そうではなく、まだそれができる発達段階ではないのだと思います。)状態です。
特に、起床から学校に行くまでの時間の癇癪が酷く、職員からも「どう対応したら良いのかわからないです・・・」という声が多く上がり始めました。
そこで、朝の時間限定で視覚支援ツールを作成し、トークンシステム(困り事または不適切な行動を減少させることを目的とした、やるべきことを手助けするツール、コミュニケーションを助ける効果もあります。)
初めて活用した日。朝から部屋に行くと「いやだ!いやだ!起きないー!」「ママがいい!ママがいい!」と聞く耳を持ちませんでした。(予想通り)こうなったら何を言っても聞き入れないし、私の顔も全く見ません。
さぁ、作戦開始。
「ねぇ、ねぇ、これやろう!」と視覚支援ツールを見せるとチラッとこちらをみました。
「これね、何をしたらいいかわかり易く作ってきたんだ。1つずつ達成できたらシールを貼って、全部溜まったらご褒美(Oさんは、時計が大好きで、好きな画像を1枚印刷するご褒美にしました。)をもらうっていうのはどう?」と言うと、「うん、やってみる。」と言ってくれました。
とはいえ、視覚支援ツールは作ってOKというものではありません。
これがあるから1人でできるでしょう。と言う考えではなく、その子に合った進め方があります。
同じものを作っても、支援する人、使う子どもが違えば、全く違うものになると思っています。
よく「十人十色」と言いますが、それと似たような考え方が大事だと思っています。
Oさんは、まずは、べったり一緒に取り組まないと頑張れないタイプですので、初日と2日目は、一つ一つ、一緒に確認しながら行いました。頑張った事が自分で確認でき、「できた!やった~!」が積み重ねられるように、ファイルに挟むことにしました。Oさんの成長の為にしている事ですが、1枚ずつ増えていくファイルを見ると、「私も頑張った!」と自分を少し褒めることができます。大人は、日々の生活の中でそうそう褒められる事はないので、自分で自分の機嫌を取りながら、自分を自分で褒める事も人生のモチベーションを上げる為に私には重要です。
ご褒美の印刷物も、集めたら嬉しいかなと思い、クリアファイルを渡すと、自分で切り抜き、スクラップブックにして宝物の様にしています。
さて、Oさんはというと・・・
以前より少~しではありますが、癇癪も減りつつあります。こうやってスモールステップで生活スキルが向上すれば良いなと思います。
これからもOさんの様子を丁寧に観察しながら成長の手助けが出来れば幸せです♪
そして、自分自身も障がい児支援をする者としてスキルアップ出来るように努力したいと思います。


入所部:江藤